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WTに聴く曲5選

(W) World music で (T) 遠くへ行きたいときに聴く曲。あるいは、(W) World music で心理的 (T) トリップを楽しむ曲。 

ぼくの音楽人生で最初のワールドミュージック・ブームは、1980年代後半に始まります。Ofra Haza、Youssou N'Dour、Salif Keita、Haris Alexiou、と出会ったのがこの頃ですね。その後 90年代から、 Deep Forest に牽引されて世界マーケットが開かれると、玉石混淆のちょっと面白い現象が見られます。西欧市場が土着生粋のイノセンスを求めたのに対し、未開地のほうは西欧文明の利器/先端の電子楽器を使いたがる、という相互ミスマッチ。この文化的合流が穏やかな流れに落ち着くまで、20年ぐらいかかったのではないでしょうか。世界は均一化/等質化しています

インディ・レーベルや音楽発信ツールの進化によって、昨今はワールドミュージックが直接的にゲットできます。いや、Spotify のおかげで無料トリップを楽しむことさえ可能。それでは、世界一周旅行へお連れしましょう。5国からの 5曲です。

☆Con Le Mie Mani☆

Title             Con Le Mie Mani
Artist           Canzoniere Grecanico Salentino
Album       「Canzoniere」2017
Comment 2018年、CGSは世界最高のワールドミュージックに与えられるソングラインズ・ミュージック・アワードを受賞。イタリアのグルーブとしては初の快挙です。サレント半島の伝統舞踏タランテッラと伝統音楽ピチ力を現代的な解釈で再現します。土臭さが残る至高のアンサンブル。

☆Taala Ya☆

Title             Taala Ya
Artist           Nancy Ajram
Album       「Ah W Noss」2004
Comment 中東レバノンの国民的シンガー Nancy Ajram。レバノンの歴代歌手のなかでもベスト 3に入るアルバム販売数を誇ります。本アルバムの大成功によって、アラブ世界におけるトップの地位を不動のものに。西欧のホップセンスと中東のエキゾチズムが見事に融合していますね。

☆Ofakombolo☆

Title             Ofakombolo
Artist           Jupiter & Okwess
Album       「Kin Sonic」2017
Comment キンシャサ出身の Jupiter Bokondji が率いるバンド。伝統的なコンゴのリズムに、アフロポップ、ファンクロック、を組み合わせた自身のサウンドを彼らは「ボフェニア・ロック」と称しています。ストレートな躍動感がイイですね。お国柄で政治的メッセージを含むことも多々。

☆Di Efchon☆

Title             Di Efchon
Artist           Haris Alexiou
Album       「Di Efchon」1998
Comment 50年以上もギリシアのトップシンガーに君臨する歌姫 Haris Alexiou。上述したように、ぼくにとっても古くからのシンボルです。艶やかで、かつ表現力豊かな歌声は絶品です。いつ聴いても、目の前には地中海の碧さとミコノス島の白壁が広がります。

☆Cranes☆

Title             Cranes
Artist           Warsaw Village Band
Album       「People's Spring」2001
Comment その名のとおり、ポーランド・ワルシャワ出身のバンド。ベルリンの壁の崩壊以降、グローバリズムのもとで失われたポーランドのアイデンティティーを再発見するための音楽的アプローチです。民俗フィドル、スカなど失われた楽器を復活演奏。弦楽合奏も一味ちがいます。

音楽に導かれた架空の世界旅行、いかがでしたか。今回は、東アジア、南北アメリカ、オーストラリア、が入らなかったので、是非もう一度企画したいと思います。ワールドミュージックの面白さのひとつに、時間感覚のズレがありますよね。西欧の 80年代の音がカリブ海で 00年代に流行する、みたいな。「音楽は時空を旅する」ってそういうことかもしれません。IT のおかげで、本当に世界は小さくなったものです。

それでは、また。
See you soon on note (on Spotify).


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