SYに聴く曲5選
(S) シンセのピコポコ音に (Y) 酔いたいときに聴く曲。あるいは、(S) シンセ/テクノの (Y) ヤバイ音質が懐かしい曲。
楽曲のなかでシンセが突出して聞こえるのは、70年代プログレ、80年代ニューウェーブ、90年代エレクトロニカ、このあたりのジャンルでしょうか。ムーブメントが勃興しているときは、その先鋭化されたサウンドにおのずと焦点が当たり、一方そのムーブメントが落ち着いて平時になると、あらゆる音が等質化されるから。とはいえ、プログレの文脈で言うと、ぼくはムーグ (現在はモーグ) の誕生期からずっと親しんできたわけで、ジャーマン・プログレ (クラウト・ロック) からテクノに至る流れもリアルタイムに見てきたクチです。いわば生き証人。
で、こんな記事をたまたま見つけました。いやいや、それならぼくにも言わせろよ、と触発されて 5曲を選んでみました。
☆Stratosfear☆
Title Stratosfear
Artist Tangerine Dream
Album 「Stratosfear」1976
Comment ジャーマン・プログレの老舗 Tangerine Dream。70年代半ばから曲が短尺化され、聴き易くなった代表作です。この「浪漫」、ぼくらの仲間内では目茶苦茶はやりましたね。S 木くんのお姉さんが所有していたのですが、I 藤くんはわざわざ自分用に買い直したほど。
☆Take On Me☆
Title Take On Me
Artist a-ha
Album 「Hunting High And Low」1985
Comment 80年代シンセポップ流行の立役者。a-ha と New Order のどちらを採るか、悩みに悩んだ結果です。a-ha は ABBA に続いて北欧美メロ大国の印象を決定づけたという意味でも、後世に与えた影響は大。New Order はやはり Joy Division 込みで考えたいので。
☆Weeping Wall☆
Title Weeping Wall
Artist David Bowie
Album 「Low」1977
Comment Bowie のベルリン三部作。Eno とのコラボで、クラウト・ロック (電子音楽) の影響が顕著な作品です。特に B面はプログレ度 120 %。アウシュビッツをコンセプトにしているため、「Warszawa」をはじめて聴いたときはマジ怖くて震えあがったものです。
☆The Child (Inside)☆
Title The Child (Inside)
Artist Qkumba Zoo
Album 「Wake Up & Dream」1996
Comment 南アフリカの ダンス・エレクトロニック・ユニット。当時は EDM という言葉がまだ一般的ではなかったような。この曲、打ち上げ花火のようにパッと一瞬だけ大流行しましたね。現在から見ると控えめなシンセとトライバル・リズムのバランスが、非常に高センスです。
☆F7☆
Title F7
Artist Authecre
Album 「SIGN」2020
Comment 電子音楽の求道者 Authecre が、現代音楽シーンに残した足跡は偉大です。つねに最先端で、電子音楽の基礎科学を追求するような姿勢は唯一無二かも。本アルバムと対になった「PLUS」は比較的メロディアスなほう。是非、この音像と世界観を体感してください。
今回の「SY に聴く曲」は非常に選択が困難でした。はじめの 3曲は脳裏に浮かぶままチャッチャと決まりましたが、エレクトロニカ、ポストロック、ポストクラシカル、EDM、ミニマル、あたりのサブジャンルで頭が混乱してきました。音楽のベース/素地そのものがエレクトロニックになると、もはやシンセが際立たなくなりますからね。真夜中のカラスみたいなものです。それで、ぼくのプレイリストでそれらに該当する諸々のアーティストを検証した結果、ギブアップ、よく考えてみれば 21世紀以降のサウンドはほぼアウトですよね。そこで発想の転換 (究極の選択)、トリに Authecre を採りあげることによってこの「真夜中カラス問題」を引き取ってもらうことにした、ってわけです。
つまり、Qkumba Zoo もそうですが、シンセのピコポコ音が陰画のごとく心地よい、という基本スタンスに立ち返っての選曲です。そもそも「史上最高のシンセ・サウンド TOP40」が、オールドスクールの投票ですから。ゲーム世代以降の若者には、シンセなんて子守歌ですよね。あはははっ (汗)。
それでは、また。
See you soon on note (on Spotify).
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