おとな玉ねぎ

高校の同級生が母校の教師になる。
ずっと先生は"先生"という生き物だと思っていたが、大人になるにつれ、先生もただの人間だったのだと知る。

大人になるにつれて現実が現実味を増す。将来の夢の"ガチ"感が強まって、気軽に夢を語れないし、そもそもそんなもの思いつかない。

身体の芯の部分には子供の頃の自分がいて、その上に知識や経験がペラペラ巻き付いているだけ。根っこは何も変わっていない。皮だけ分厚い玉ねぎ。

自分以外の人生だったら絶対上手くやれるのに。
自分の人生は荷が重い。なぜなら自分のことだから。

「子供に戻りたいと思い始めたら大人」というが、私は明らかに子供である頃からずっと子供に戻りたかった。ずっとこのままでいたいと思った。
その反面、街で老人を見かけると羨ましく思う。早く全部のイベントを終わらせて、ゆったりと過ごしたい。

なんだか不安で眠れない。
眠れない自分が可哀想で、自分で自分と手を繋いであげる。そうしてできた祈るような体勢で、眠りにつく。

おやすみ

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