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一人でできることなんて、大したことない
僕は一つ、重大な思い違いをしていた。
それは、自分一人でできることを、課題評価していたこと。
僕はもうすぐ、修士研究の中間発表をしなければいけない。今はちょうど、その発表準備のスライドを作っている。
まずその前に、僕の修士のこれまでのことを、話させて欲しい。今回の話に、関係するから。
僕は修士になってから、研究室の部屋を移動することになった。
学部時代は、勉強熱心でまじめな同級生と一緒の研究室にいた。
そのときは、その子がまじめに研究しているのが、自分にとってはプレッシャーに感じて、研究室に行くのが億劫になることがあった。
そして、卒業研究の最後の方では、研究室に行く頻度も少なくなっていた。
このとき僕は、別に研究は自分の一人の力でもできると思っていたから、一緒に頑張る仲間のありがたみに気づいていなかった。
むしろ一人でやった方が、効率がいいと思っていた。今思えばかなり傲慢なやつだった。研究室の友達へ、本当にごめん。
そんな傲慢だった自分は、修士になってから研究室を移動して、苦境に立たされることになる。
移動した部屋は、人がほとんど来ない研究室だったのだ。先輩も全然来ない。
なぜ人が全然来ない部屋の方に移動になったかというと、自分も卒業研究の最後の方に、研究室にほとんど行ってなかったからだ。
研究室に来ない人同士、同じ部屋にまとめられたということだ。
人が全然来ない部屋に移動になったわけだけど、当時の自分はそこまで心配してなかった。
「別に研究は一人でやるもんだから、研究室に仲間がいなくても大丈夫っしょ」って、楽観視していた。
しかし、この後めちゃくちゃしんどい思いを、することになる。
孤独感が半端なかったのだ。修士の大変な研究を一人ぽつんと研究室の中で黙々とやるのは、本当に辛すぎた。
そして、一人だと何か問題にぶち当たったときに、自分で解決するしかなくなる。
サポート感がない中、困難なタスクをしないといけないのは、本当に苦しい。
また、一人だとモチベーションが続かない。ネットサーフィンをしたり、研究室を早めに出たりする日が多かった。
当然そんな日々を続けていると、周りの同級生との差が開いていく。
中間発表が近づいてくる中で、同級生と進捗を確認しあったのだが、かつて同じ研究室にいたその同級生は、自分と比べてかなり研究が進んでいた。
その子は修士になっても、まじめに頑張っていて、その子と同じ部屋の仲間と切磋琢磨しているみたい。
周りの人の存在って、めちゃくちゃ大事だということを改めて感じた。
一人でやるのは人間関係の煩わしさはないかもしれないけど、成長もなくなる。
自分はそこのところを、ちゃんと分かってなかった。
幸い、よく人が来る部屋の方に、自分もお邪魔してもよいと承諾されたので、次からその部屋で研究することになった。
もう、自分一人でできるなんて、過信しないぞ。
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