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野球の試合に、助っ人として駆り出された

このお盆は、実家に帰省していた。

山だらけの、ど田舎な地元。コンビニも近くにないような、へんぴな場所。



僕には兄がいて、その兄は実家で暮らしている。

帰省すると、もちろんその兄と話す。犬猿の仲じゃないから。

その兄は地元の野球チームに所属しているのだが、なんと次の試合ではそのチームのメンバーが8人しか揃わないそうなのだ。

野球は最低9人必要なスポーツだから、1人足りない。

しかも、その試合は公式戦なので、できれば人数不足で試合が流れることは避けたいと、兄から言われた。

そこへきて、小・中学校と、野球経験のある弟(僕のこと)が、いま帰省している。


今度の試合に助っ人として出てくれない?

「相手は強くて、どうせウチのチームは負けるから、とりあえず試合に出てくればオッケーだからさ」



正直なところ、野球の公式戦なんてそれこそ8年ぶりぐらいだから、急に出てくれと言われても、快く承諾できなかった。

ミスしまくって、迷惑をかけるのも嫌だし。

だけど、この試合が中止になるのは相手チームにも申し訳ないので、僕は9人目のメンバーとして出ることにした。




試合が行われる球場まで、兄と車に乗って向かう。道中、運転する兄と雑談していたが、球場が近づくにつれて緊張も高まる。


会場に到着。

地元の野球チームなので、チームのメンバーに高校時代の同じクラスだった同級生がいた。

2年ぶりの再会。

第一声。「また背伸びた?」

地元の友達と久しぶりに会うと、これを言われる。

成長期が遅かったので、今年の春に大学で行った健康診断でも、まだ少し背が伸びていた。たぶん、精神年齢が熟すのも遅い。


そんなことはさておき。

懐かしい友人と近況をしばらく話し合い、いざ試合へ。

鈍りまくってると注意したのに、僕は5番サードになった。阪神で言うと、佐藤輝明だ。荷が重いぞ。



僕らのチームは後攻に決まったので、サードの守備につく。

相手チームは、右打者が多い。強打者揃いだから、引っ張り方向の速い打球が飛んできそうで怖い。

さっそく、1つ目のサードゴロが来た。

打球に勢いはなく、難なく処理する。送球が低くなったが、なんとかアウトに。


「意外とブランクあってもいけるじゃん」


油断したのか、次のサードゴロをはじく。

ランナーが三塁にいたので、点が入る。タイムリーエラー。油断は禁物でしょうが。

簡単なゴロだったので、超絶恥ずかしかったが、味方が「ドンマイ、ドンマイ」とフォローしてくださった。今度はしっかりアウトにするぞ。

その後も、何球かサードに打球が。ミスはもう1つしたけど、それ以外はアウトにした。ふぅ、あぶないあぶない。




バッティングの方はというと。

1打席目は、簡単に2ストライクと追い込まれたが、3球目のストレートを弾き返し、ショートライナー。もう少し弾道が高ければ、ヒットだった。おしい。

相手チームのキャッチャーに、小言で「ナイスバッティング」と褒めていただいた。照れて、めちゃくちゃ早口で「ありがとうございますっ」と返答。


2打席目は、2アウトランナー2塁のチャンスで回ってきた。タイムリーヒットが欲しい場面。

相手ピッチャーのストレートに伸びがあって、なかなかとらえきれず、バックネット側にファウルボールを何球か打つ。

最後は、低めのスライダーで三振。ファウルで逃げようとしたけど、バットにかすったボールは無常にもキャッチャーミットに収まった。

結局ノーヒット。あんなちっこいボールを、細いバットでとらえるのって、やっぱ難しい。



試合も5回7-0でコールド負け。相手チームには、甲子園に出場したことのある選手もいて、妥当の結果だった。

思うように全然プレーできなかったけど、久しぶりの野球はとても楽しかった。

社会人になっても、趣味で野球を再開してみようかな。

もう丸刈りにしなくてもいいしな。

そういえば、甲子園に出てるチームで、丸刈りしてしない高校が増えてきてましたね。

慶應義塾、優勝おめでとうございます。

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