虚数優位な現代社会
みなさんは、虚数を知っていますか?
簡単に説明しておくと、虚数とは2乗したら、-1となる数のことです。
数式で書くと
$$
i=\sqrt{-1}
$$
となります。
2乗したら、-1となる数なんて感覚的には想像できませんよね。
だから、英語ではImaginary number(想像上の数字)と呼ばれています。
$${i}$$はImaginaryの頭文字から、とっています。
今回の記事は、現代社会ではそんな虚数が大事なのではないかと述べたくて、書きました。
工業社会では実数が優位だった
実数は、ふだん私たちが日常で使う数字で、英語でもReal numberと呼ばれています。
虚数が想像上の数字であるのに対して、実数は目の前にある数字と言えるかもしれない。実際に存在しているとか、そういうニュアンス。うまく言えないけど。
そして、バブルあたりまでの世界では、この実数が優位だった。
いわゆる、今の情報社会になる前の、工業社会です。
工業社会では、土地とか機械などの目に見える資本が、勝敗を分けていた。
より多くの土地、よりよい設備を整えられた者が、利益を上げていました。
実際に目に見える資源を、手に入れることが大事だったんですね。
そういう意味で、実数が優位だと書きました。
工業社会では、想像力より現実的に考えることのほうが大事だった。
効率よくモノを作るには? 大量生産するには?
決められたルールでいかにうまくやるかが、重要だった。
日本も高度経済成長期は、このゲームにうまく乗っていた。
0から1を生み出すより、1を10にするのが得意だったのかもしれない。
しかし、バブル崩壊あたりから様子が変化してきた。
ITの台頭によって工業社会から、情報社会になったのだ。
日本はこのゲームの転換期に、大きく遅れをとってしまった。
想像力が試される情報社会
インターネットというのは、想像上の産物だと思う。
実際に目に見えるものでは、ないからだ。
ふだん何気なくネットを通じて多くの人とやりとりしているけど、これってよくよく考えてみたら、すごいことだと思う。
自分の目の前に存在していない人たちと、情報を交換しあったり
Googleで調べ物をしたりするのは昔の時代には、想像のできなかったことに違いない。
そして土地などの実際に目に見える資源は、それほど重要ではなくなった。
情報社会で必要になったのは、型破りな考え方をするアイデアマン。
スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスなどが、有名な例だと思う。
0から1を生み出すのが得意なアメリカの企業が、今の世界を席巻している。
これには移民の多さが、関係しているかもしれない。
アメリカは「人種のるつぼ」とよばれるぐらい、多様な民族が混ざり合った国です。
多様な考え方を持った人たちのアイデアが混ざり合うことで、型破りなものが生み出されるのだと思います。
もちろん、他の要因もあると思いますが。
この情報社会では、虚数が実数よりも重要な位置を占めることになります。
$$
z=a+bi
$$
の$${b}$$の部分です。
多くの資源(実数)がなくても、独創的なアイデア(虚数)だけで大きなものを生み出せるのです。
分りやすい例がYouTube。
大企業が持っているような大きな資源がなくても、すごい発想力で面白い企画を作って個人や少数の仲間たちで、活躍している方がたくさんいます。
面白いアイデアがあれば、社会に大きな影響を与えられる時代になったのです。
SNSのインフルエンサーなんかも、そうだと思います。
今後、社会がどのように変化していくか分りませんが、やっぱり想像力というのは必要になってくると思います。
単純な作業は、AIに取って代わられるようになりますから。
そして、この想像力を磨いておくということも、とても大事になる気がします。
僕に想像力があるかどうかは分りませんが、noteを書いているような方は日頃から新しいものをアウトプットしようとされているので、たぶん相当想像力が磨かれていると思います。
創造力のほうも。
また、僕はそういった方のnoteを読むことで感化されています。
いろんな面白いことを考えている人たちが、たくさんいますからね。
参考文献
おまけ
先日ある方に、コメントでオススメの本を教えてもらいました。
その本は「ソーシャル物理学」です。
結構内容が盛りだくさんなので、かなり後になるかもしれないですが、そのうちこの本を読んで思ったことを記事に書くつもりです。
ではみなさん、よい休日を!
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