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暇なときに、せずにいられないこと

急に暇な時間ができた。担当教員が海外の学会発表へ行かれたので、今週のゼミがなくなったからだ。就活の方も、インターンシップの結果を待っているところなので、特にやることもない。

人間というのはわがままなもので、忙がしいときは「暇な時間をよこせー」とせがむくせにいざ暇な時間ができると、「退屈な時間を何とかしてくれ」と文句を言いたくる。

僕も、今まさにそんな状況だ。忙しい人からすると贅沢な悩みだと思うけど、暇な当の本人は結構苦しんでいたりする。

僕はそんな暇な時間が急にできたときに、よくあることをする。

それは、書店で立ち読みをすること。

書店員の方には迷惑極まりない行為ですが、暇な時間ができるとやってしまう。

そして、この文章を書く前にも近くの本屋で立ち読みをしていた。暇で暇で仕方がなかったから。




よく立ち読みしに行く本屋は、大学近くの某総合スーパーマーケットの2階にある〇〇書店だ。大学内の売店でも本を立ち読みできるけど、知り合いとかに見られるのが恥ずかしので行かない。立ち読みは、誰の視線も気にせずに行いたいから。

幸いその〇〇書店は結構大きくて品揃えがよく、人もそれほど多くはないので立ち読みするには、絶好の場所だ。店の中の心地よいBGMも好きだ。名曲ばかりで歌声はないけど、むしろそのおかげで立ち読みに集中できる。歌声があると歌詞に引っ張られて、文章が頭に入ってこないから。

立ち読みするには、もってこいの本屋。今日もここで、いつも通り立ち読みをしていた。


まずは、本屋の入り口にある新刊コーナーに置いてある本に目を通す。話題の小説や、ビジネス書を読んでどんな本が流行っているのかを知る。とりあえず流行は、押さえておきたいのだ。

次に新書のコーナー。昔から新書を読むのが好きで、気になったタイトルの新書を次から次に読んでいく。短時間で知的好奇心を満たしてくれるのが、自分の望みとマッチしているのだろう。今も変わらず、新書を読むのは好きだ。

そして、最後が小説やエッセイのコーナー。冒頭で引きずり込まれるような小説やエッセイに出会うと、先の展開が気になってページを繰るのが止まらなくなる。軽く手に取って読んだのに、気づけば時間を忘れるほど没頭して読んでしまう本と、巡り合うことがある。そのような本は、本屋で購入して後で家でゆっくり読む。



僕がやっている立ち読みの一連の流れは、こんな感じだ。今日もいつも通りのルーティンをこなしていたわけだけど、今日は何かいつもに増して感じることが多かった。たぶん久しぶりにかなりの暇な時間ができて、立ち読みをじっくりできたからだろう。ここ最近は、立ち読みはできていても、すぐに終わることが多かった。

今日思ったことは、やっぱり自分は文章を読むのが大好きだということ。嫌になる程暇な時間ができてどうしようかと思ったけど、改めて自分が心から好きなことを知ることができた。

暇な時間はわずらしいと思いがちだけど、自分が本当にやりたいことを知るチャンスなのではないかと思う。何もしなくていい暇なときにやることは、やらずにはいられないことだから。

「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家の水木しげるさんの言葉に、こんなものがある。

しないではいられないことをし続けなさい。

これは、水木しげるさんの「幸福の7か条」のうちの1つだ。水木しげるさんの場合、しないではいられないことは漫画を描くことだった。

僕の場合は、本を読むことがしないではいられないこと。そして、文章を書くこともそのうちの1つになった。


noteで週平均4、5本記事を書いていると同級生に言うと、「何でそんなに書くこと思いつくん?」と少し驚かれた。僕にとっては書かずにいられなくて書いているだけなので、同級生の反応にこちらも驚いてしまった。

書かずにいられなくなるのは、今までたくさんの文章を読んできたからだと思う。書こうと思って書いているんじゃなくて、自然と言葉があふれる感じで書いている気がする。

今まで触れてきた美しい言葉や綺麗な表現が自分の心を満たし、そのあふれたものが文章として、ぼろぼろとこぼれているのだと思う。コップの水のように。

そしてそれは、自分にとってかけがえないのない時間だ。文章を読むことと書くことは、これからもずっとし続けたい。

自分が将来どんな仕事に就き、どんな生活を送っているか全く分からないけど。それだけは、切に願う。


明日も同じ書店でいつも通り、立ち読みをするかもしれませんね。店員さんには申し訳ありませんが、これが僕の幸せ時間なので、どうか許してください。





おわり。

ああ、あと「しないでいられないことをし続けなさい」のアドバイスを依存症や中毒に結びつけてはダメですよ!




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