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公衆電話

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統合失調症を発症して入院した1ヶ月の体験を基にした小説です
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#統合失調症

公衆電話

14・締めくくり  翌朝、食堂でT君と一緒になった。 「T君、夕べ電話したよ。家人に」 僕…

遊歩
1年前
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12・面会    病院では集団療法もあり、絵を描くこともあった。ちょうどその時間に、妻と…

遊歩
1年前
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11・別れのカンパリソーダ  「別れのカンパリソーダ! ボクには迸るような青春の思い出が…

遊歩
1年前
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10・鉄格子  主治医から大部屋に移動許可が告げられた時、正直嬉しい反面さみしい気持ちに…

遊歩
1年前
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9・13日の金曜日  発症の当日は朝から自分が今までとまるで違っているのに気づいていた。 …

遊歩
1年前
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8・春の祭典 突如 完全無欠の至福の光景が脳裏に浮かび上がって来る。  子供の頃はしょ…

遊歩
1年前
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7・狂った歯車     時間は流れていないようでちゃんと流れていた。    腹は減ったし、部屋の隅にある囲いのない水洗トイレで用も足した。ステンレスの便器に排せつ物が消えていくのを見ると、家族の事を思い出した。  その時どういうものか、僕は近親相姦を犯してしまったのではないか?という罪悪感に襲われた。娘たちは当時まだ小中学生であり、父親としての責任を全うできなくなってしまった絶望から湧いてきた者だったのだろうか…よくは分からないが生々しい感情だった。  談話室でT君に会っ

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6・隔離室 『 蛍の光 窓の雪 書《ふみ》読む月日重ねつつ    何時しか年も すぎの戸…

遊歩
1年前
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5・発狂  そこは地元で昔から霊能力が高いと評判で、失し物とか心配事の相談に町の人が駆け…

遊歩
1年前
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4・メッセージ  空間もどういう構造になっているのか、部屋の上の方からぐるぐる音というの…

遊歩
1年前
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