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君に会う日を指折り数えて 作 tukiyo

君に会う日を指折り数えて、、、
作 tukiyo

はじめ、、
旦那様(35)サラリーマン
今年3つになる息子と10歳も歳下の妻がいる。
この春、転勤が決まり、訳あって妻子を残して単身赴任中、真面目、男子校あがり、優しいが優柔不断でシャイ

ゆり、、奥さま(25)
大学生のときに はじめと知り合い、一目で好きになる。ゆりの積極的なアプローチで二人は付き合いだし出来ちゃった婚。
明るくて陽気でお気楽オープンな性格。

(電話のコール音)
はじめ
、、、あ、ゆり?
俺だよ、、、いま、新幹線にのる

俺は長谷川はじめ、ちょっといろんなワケがあって今は妻子と離れ単身赴任中。今日は数ヶ月ぶりに妻 ゆりの元に帰る、、、

ゆり
あ、旦那様っ
うん、じゃ、あと3時間後くらいには会えるんだねー、、、楽しみすぎるよー、あぁ、早く会いたいなぁ、駅まで迎えに行くからね〜

はじめ
あぁ、よろしく、じゃ、、、

ゆり
あ、だめ!約束でしょー
守って

はじめ
、、、え?あ、でも、ここ駅だし、、、人、いっぱいいるし

ゆり
えぇ、、、人がいたら、約束やぶっちゃうの?
旦那様はそんな人だっけ?
真面目で優しくて絶対に私を裏切らないって信じてるのになぁ、、、

はじめ
裏切るって言ったって、ただ、電話を切る時には必ず言わなきゃいけない約束のアレを、、、
今、言わないってだけだろ、、、勘弁してくれよ、、、恥ずかしいし、、、

ゆり
恥ずかしいんだぁ、、私に、あの言葉言うの、そんなに恥ずかしいのぉ?
、、、ゆり、、、悲しいな

はじめ
あ、、、あぁ、あぁ、、、もう、はいはい、、言うよ、言うからさ、拗ねるなって、しょうがないヤツだな、、、
(小声で)
ゆり、、、愛してる

ゆり
あはっ。うん、わたしも
だーい好きっ 旦那様っ

はじめ
ゆりとは結婚して、今年で3年になる。10歳も歳下のゆりと付き合いだしたのは彼女がまだ大学生の時だった、、、俺が行き着けていた食堂に彼女がアルバイトとして働きはじめた。明るい笑顔と人懐っこい性格 くるくると表情がかわる大きな目が印象的だった、、、
際立った美人というワケではなかったが
堪らない愛くるしさがあって彼女が食堂に来てからというもの男の客がめちゃくちゃ増えた気がする、、、笑
まぁ、かく言う俺も、半分は彼女に会いたくて通ってるクチだったけど
いかんせん、俺はもう三十路をすぎたオッサンだし、、、彼女からは相手にされるはずもないと半ば諦めた気持ちでいた。
、、、ところが、、、

(間)

ゆり
あの、、、お客さん、えっと、いつも月曜日と金曜日に来てくれる、、長谷川さん、、、

はじめ
あ、ゆりちゃん
どうしたの?バイトはもう終わり?駅、ここから乗るの?

ゆり
あ、、、えと、駅は、、、ここからじゃないんだけど、、、
あの、こんなこと急に言ったらビックリすると思うけど、、、あの!
わたし、、、長谷川さんが好きなんです!一目惚れしました!ずっとずっとずーーっと長谷川さんの事を思ってました!
、、、は、はぁはぁ、、、はぁ、あぁ、わたし、やっと告白できた

はじめ
ん?、、、って!!え!
えーーーーーっ!嘘!!
ま、、、マジで!!

はじめ
ゆりからの突然の告白、それで俺たちは付き合いはじめた。
俺は男子校あがりで、生真面目なたちで女子の気持ちにちょっと疎い、、だから今までも彼女は出来てもうまく立ち回れなくて長続きしなかった、さて、ゆりとは?果たしてどうだろう、今回は歳の差だってかなりあるし、、、
ゆりの事は大好きだけど、、、けど、、、一緒にいるくらいが俺には精一杯、、、かわいいかわいい妹のような彼女を大事に大事に愛でながらゆっくり二人の関係を作っていこう!、、、と
思ってた、、、いや、マジで、、、だけど、、、

ゆり
はじめちゃんっ

はじめ
は、、はじめちゃん!?

ゆり
うふふ、はじめちゃんって呼ぶ事にしたの
ね、いいでしょ?

はじめ
あ、、、あぁ、うん、かまわないよ、、、はは、ちょっと照れるけど
ゆりちゃんがそう呼びたいなら、、、

ゆり
え?いま、わたしのこと
なんて?

はじめ
ん?え?あぁ、、、ゆりちゃん

ゆり
えぇ、、、やだぁ、わたし、彼女なんだよ、ゆりって呼んで欲しいなぁ、、、

はじめ
えぇっ!!あ、でもさ、今日、初デートだし、なんか、ほら、まだ、手も繋いでないわけだし、って!えぇ!!
ゆ、ゆりちゃん!

ゆり
ふふ、手、繋いじゃったぁ、、、はじめちゃんの手、大きくて温かいね

はじめ
、、、、、!!(絶句中)

ゆり
はじめちゃん、、、大好きだよ、はじめちゃんもゆりのこと、好き?

はじめ
、、、え、、、あ、、あぁ、そりゃもちろん、、、

ゆり
えぇ、、、好き?きらい?ねぇ?どっち?

はじめ
あ、す、好き、、、だよ

ゆり
うふふ、、、じゃ、チューして

はじめ
!!!!!衝撃で言葉もでなかった、、、

ゆり
はじめちゃんとチューしたい、、、

はじめ
ゆ、、、ゆり、、、で、でもさ、、、俺たち、先週から付き合い出したばかりだし、今日は初デートだし、、、えと、あの、、、
チューするとかは、まだちょっと早くないかな、、、

はじめ
俺が勇気の出せない言い訳をあーだこーだとしていたら、いきなり唇に柔らかいものが触れた、、、驚いた、ゆりがキスしてきたんだ
、、、柔らかい、柔らかいし、温かい、それに
ゆり、、、めちゃくちゃいい匂いする、、、この香り、、、なにかなぁ?
シャンプー、、、?
好きな香り、、、
うっとりとそんな事を考えながら、その時間に朦朧と酔っていたら
ゆりは、、、俺から唇を離したあとで、さらに衝撃的な言葉を口にした

ゆり
はじめちゃん、、、送ってくれて、ありがとう、
あのね、、、わたし、昨日、部屋、綺麗に片付けたんだ、、、
はじめちゃんに見てもらいたいの、、、わたしの部屋、、、

はじめ
ん???部屋を見てもらいたい!?
こ、これって、、、えっと、、、えっと、、、あ、いや、落ち着つけ
まさか、まさかだ!いきなり、そこまでの仲にはなるはずないだろう
ゆ、ゆりはただ単に純粋に部屋を見せたいんだろう、、、きっと、そうだ
俺も見たい、ゆりが普段どんな部屋で生活してるか知りたい、けどダメだいくらなんでも、初デートで部屋へ上がり込むなんて!不健全すぎるっ!こ、断るぞ!

はじめ
あ、ゆり、今日は、や、やめとくよ、、、せっかくだけど、やぱ、いきなり部屋にいくのは、、、

ゆり
、、、ダメ?私の部屋には、、、興味ない?

はじめ
ある!あるよ!もちろん!、、、って、あ、あのさ、ゆり、でも、まだ、早くない?もうちょい時間かけてさ、ゆっくりと、、、

ゆり
今夜、わたし死んじゃうかもよ!

はじめ
へ??どしたの、ゆり

ゆり
人間、いつ死ぬか分かんないって、、、亡くなったおばあちゃんが亡くなった日の朝に
そう言ったんだ、、、

はじめ
え?あ?、、、そ、そうなの

ゆり
うん、だからね、私は、いつ死んでもいいように今、叶えられることは後回しにしないでやっちゃいたいの

はじめ
んんーーーっあはは、、気持ちは分かるけどさ

ゆり
はじめちゃん!
、、、はじめちゃんて、ものすっごーくのんびり屋だし優しすぎるとこあるし、、、それからすっごーくシャイだから
わたしから誘ってあげるね、、、だから、、、今日、家に泊まってくれるよね!!

はじめ
わ、わかった!
、、、って、えーーーっ!あ、今の無し、勢いにつられましたっ!

ゆり
あは!ヤッターー!
じゃ上がろー
マンションっ、はじめちゃん早く、おいでよー
オートロックしまっちゃうよ、、、

はじめ
あ、ちょっと待って
ゆり!ゆりってば
ねぇ!!えぇ!ま、マジかっ!?

こうして俺は彼女の部屋へあがり彼女がさっき宣言したように彼女から誘惑されて、、、
気づいたら朝、、、

ゆり
はじめちゃん、はじめちゃん、、、朝だよ、ね起きて、寝顔かわいいなぁ、まつ毛ながーい
うふふ。

はじめ
、、、んんん、、、あ、、、ゆり?んん?
あ!?、、、

ゆり
ふふ、おはよ、はじめちゃん

はじめ
あ!俺、えと、あの!!
き、昨日は、、、

ゆり
すっごく良かったね
はじめちゃんとは身体の相性もいいってわかったし。よかったぁ。

はじめ
、、、あ、あははは、、
う、うん良かった、、、はは。

こうして、とてつもなく
積極的な彼女、ゆりとは
つきあってすぐに深い仲になり、瞬く間に同棲までするようになって彼女が大学を卒業して暫くした頃

ゆり
、、、はじめちゃん、あのね、わたし、できちゃった、、、

はじめ
ん??できた、、、って
、、、え!!えーーーっ!

ゆり
こないだ産婦人科で診てもらったんだー
今、3ヶ月にはいったとこみたい。わたし達パパとママになるんだねー

はじめ
、、、あ、、、ゆり、、あのさ!
パパとママになる前に
まず、、、夫と、、、妻に、なろう。
、、、ゆり、、、結婚しよう。

ゆり
、、、うん、、、わぁ、珍しくはじめちゃんから言ってくれた、、、今日はプロポーズ記念日だね。わたし、奥さんになるんだぁ、、、
わぁ、、、嘘みたい、、、大好きなはじめちゃんの奥さんになれるんだね
、、、よろしくお願いします。旦那様!

はじめ
それから、なぜか、ゆりは、はじめちゃん、、、じゃなくて、俺を旦那様って呼ぶようになった
、、、俺もジョーダンめかして、時々、ゆりを
奥様って呼んだりして、、、
結婚して、彼女から妻になり、それからすぐに出産して母親にもなったけど、、、ゆりは、相変わらず、、、無邪気でかわいい、、、
かわいくて、やぱ、いつも積極的、自分の気持ちに素直だ
、、、ちょっと、素直すぎて、俺は、、、いつまでも、ドキドキしっぱなしだ、、、3日間、こっちで過ごしたら、俺はまた、ゆりの元を離れないといけないけど、、、
いつも、君に会う日を指折り数えている、、、愛しい君に会う日を、、、

ゆり
旦那様っ
やっと優希寝たよ。今日は久しぶりにパパに会って興奮気味で中々寝てくれなかったから、大変だったなぁ

はじめ
おつかれ、、、ビール飲む?

ゆり
うん、ちょっとだけ、、あ、ダメだよ、旦那様は、あんまり飲んじゃ。

はじめ
ん?なんで?

ゆり
だって、お酒飲んだらすぐに寝ちゃうんだもん、、寝ちゃダメだよ今夜は、、、

はじめ
わかった、ほどほどにしとく、、、

ゆり
ふふ、、、わたし、お風呂入ってくる

はじめ
あ、うん、ゆっくり浸かってきな

ゆり
あ、そうだ、旦那様、、一緒にはいる?

はじめ
えぇ?、、、いや、俺、さっき入ったよ、、、

ゆり
ふふ、知ってるよ、、、でもさ二人で入るのは
また、ちょっと雰囲気違うし、、、きっと、すっごく楽しいですよ。旦那様。

はじめ
あ、ははは、
相変わらず、積極的ですね奥様。はい、じゃ、もう一度風呂、入り直しますか、、、

ゆり
ふふふ、じゃ背中、流してあげるねっ
さ、行こ、お、ふ、ろ

はじめ
こんなふうに
俺は積極的な彼女におされてばかりだ、、、
けど、すっごくシャイでのんびり屋な俺には
これくらい積極的な奥さんが丁度いいんだろう。
だけど、この積極性が他の誰かに向かわないかって、、、単身赴任中の俺は時々不安になる、、、

ゆり
あ、旦那様、わたし
欲しいものがあるんだ

はじめ
ん?なに?

ゆり
赤ちゃん 、、、優希にきょうだいつくってあげたい、ね、いいでしょ? ふふ ❤

はじめ
、、、はは、うん、そうだな、俺もゆりとの子なら何人でも欲しいよ

そか、、、子どもが欲しいなんて言ってくれるんだから、、、他の誰かに気が向くなんて、俺の考えすぎだな。
こうやって俺は、、、また彼女の誘惑にのってしまう、、、でも、こんなふうにいつまでも彼女から誘惑されたいと願ってる俺がいる。
ゆり、好きだよ、愛してる。
シャイな俺はそう心で囁きながら彼女が差し出す手をとった、、、

おわり

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