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「わかんねえなら仕方ねえ。代わりに俺のことを話す」


入学式の日、黒田、朝利に歩み寄りを見せるアシト。


見て聞いて学ぶということ

サッカーを始めて間もない君は、毎日のように新しいことを学んでいることだろう。

練習では監督から新しいことを教えてもらい、仲間の新しい技をまねてみようと思う…。
スタジアムでの試合や動画でのテクニックや戦術解説でも、たくさんのことを学ぶだろう。

パパと話すときにも、パパが君に話し、新しいことを覚えたり学んだりすることが多いよね。

君はスポンジのようにいろんなことを吸収できているはずだ。
新しいことにどんどん触れて、どんどん学んでいってほしい。

見ても聞いてもわからないこと

たくさん聞いて、見て、学ぼうとしても、わからないことはたくさんある。

プロのサッカー選手だって、例えば最近の戦術は難解ですぐに理解することは難しく、
シーズン前の準備期間やシーズンを通して徐々に理解を深めていったりもする。
選手間の考えていることだって、プロ同士だったらすぐにわかり合えるかというとそうではない。
「わからない」からスタートして「わかる」に変えていくのはプロだろうが少年サッカーだろうが一緒だ。

サッカーを始めて間もない君は学ぶことも多いが、同時に学んでもわからないことがたくさんあると思う。
わからないこと自体は決して恥ずかしいことではないし、むしろわからなくて当たり前なんだと思うよ。
プロでさえ、一度ではわからないことをわかるようにするプロセスが必要なんだから。

見て聞いてわかったつもりでいること

わからないことをわかるようにするうえでやっかいなのは、
わかったつもりになってしまうことだ。

なぜやっかいかというと、「わかった」と思った瞬間、君の思考が停止するからだ。
思考が停止すると、君はそれ以上に考えることを止めてしまう。
本当は間違った理解をしているかもしれないし、理解が浅いかもしれない。
わかったことを本当はもっと発展させられたかもしれない。

そんなことたちを気づくチャンスを失ってしまうのだ。

本来積み重ねられていたはずの知識が、そうではなくなってしまうんだ。

なんともったいない!

見て聞いて以外の学ぶ方法

学ぶというと、一方的に見たり聞いたりということをまず思い浮かべることが多いと思うけど、
「自ら話す」ということが、以下の2つの意味で実は「わかる」への近道だったりする。

わかっていることの明確化として

何をわかっていて、何をわかっていないのか…。
それを明確に分けるためにも、口から発してみることは大切だ。
君がわかっていることを周りに伝えることで、
「あ、君はここまではわかっているけど、それ以外がわかっていないのか」ということがはっきりすると、君がわかっていないことに焦点を当てて周りは教えてあげようとする。

アシトも自分がわかっていることを朝利らに話すことで
結果的にはアシトが何をどうわかっているのか、
またはわかっていないのかをはっきりさせることができたよね。
その後のストーリーではチームメートはこの場面をたくさん振り返っていた。

わかっていることの復習として

「わかった」と思っていることを自分の口から話してみて周りに聞いてもらおう。
そうすることで、「実はしっかり理解できていない」という部分に君は気づくことができるかもしれない。
また、ちゃんと理解できていたとしても、自分の理解を言語化することで、より理解を深めることもできる。


今日からできる「学ぶ」

聞いて見て学ぶことは、そのまま続けよう。
新しいことをどんどん知ることが、君の上達につながるはずだ。

学んで理解したことを、声に出して確認してみよう。
学んだことに関連する話を学んだことの5倍、監督やパパやママに話してみよう。
チームメートと話してみてもいいね。
今まで学んだ別のことに関連付けてもよいし、
とにかくいろんな角度から話してみるといいと思うよ。
実はわかっていなかったということに気づき、
わかったと思っていたことも、より深められるはずだ。

わかることと、わからないことをはっきりさせるためにも、とにかく話してみよう。
わからないことは恥ずかしいことではない。
わからないことをそのままにすることの方がよっぽど恥ずかしい。
わからないということを教えてくれたら、監督もパパもママも君がわかるように一生懸命お話するよ。
アシトのチームメートのように、君の仲間も教えてくれるかもしれないね。


せっかく日々たくさんのことを学んでいる君。
着実にものにするためにも、もっと君の口から話してみよう。
そうすることで、もっともっと上達していくと思うよ!

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