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ルッキズムと言われてもかまわない、ハムレットは美青年に限る ~2015年1月 藤原竜也主演「ハムレット」の話~

”「尼寺へ行け!」が、すごかった!”
2015年1月28日彩の国さいたま芸術劇場にて、藤原竜也主演の「ハムレット」を観劇した際の日記である。一日5行しか書けない5年連続ダイアリーとは言え、あれだけの舞台を見ておいて感想はこれだけか……。

と、唖然とするということは、ちゃんと私の脳裏にはあの日の舞台が残っているということだ。
父を殺した叔父に平幹次郎、彼と再婚する前国王の王妃にしてハムレットの母に鳳蘭。朗々たる声量で圧倒的な存在感だった。オフィーリアの女優は疲れがピークだったのか、声が割れていて耳障りだったのが残念。
そして主役の地の底から聞こえるような「尼寺へ行け!」。シェイクスピアものは脚本が良いのだから、彼のように口跡良く、セリフをきっちり聴かせてほしい。黒い衣装を着たハムレットがオフィーリアに詰め寄るために、一歩足を踏み出す、その勢いと形。舞台俳優の運動神経って、こういう場面で出るんだよね~、と感動した。

翌日の日記には「それにしても昨日の藤原竜也はかっこよかった」」と書いてある。次の日まで余韻にひたれる芝居は珍しい。8年たっても、その名場面を思い出せる舞台はもっと珍しい。

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