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【転職をふり返る】リンクアンドモチベーションのCSから、CADDiのフィールドセールスへ

ちょうど1年前の今日(2023年2月1日)、私は新卒から14年間勤めたリンクアンドモチベーションを離れ、キャディに入社しました。辞めるべきか否かという点において、本当に悩みに悩んだ上での転職でした。ただ1年が経過した今、当時の選択は間違えていなかったという確信めいたものが自分の中に芽生えています。

自分自身の棚卸ろしの意味も込めて、整理したいと思います。


転職にあたって

コンサルティングからカスタマーサクセスへの移行

2009年にコンサルタントというキャリアから社会人をスタートした私にとって、コンサルティングという仕事は誇りでした。様々な業界にまたがって価値を提供できるビジネスモデルは、まさに世界を変える可能性があると信じていました。しかし、2017年に自社で立ち上げたSaaS事業のCSに異動となり、そこでカスタマーサクセスという世界があることを知りました。その時、コンサルティングの捉え方が相対化されたのです。

コンサルタントの価値の源泉は「情報格差」です。しかし、昨今はAIの進化によって情報のフラット化が加速度的に進行しています。格差が大きかった従来は、常にコンサルタントからクライアントへと一方向の情報の流れが生まれるため、コンサルタントは優位に立ち続けることができます。しかし格差が消滅した世界ではどうでしょう。。むしろコンサルタントが提供している一般的なフレームよりも、そのフレームを実際に使ってみてどうだったかといった口コミの方に価値があるのが今ではないでしょうか。そう考えると従来型のコンサルティングビジネスではなく、もっと相互に情報提供がなされるエコシステムのような世界(≒カスタマーサクセス)こそが、これから世界を変えるビジネスになり得るのではないかと考えるようになりました。


「ビジネスとしてのカスタマーサクセス」への違和感

ところが、カスタマーサクセスを勉強すればするほど、「アップセル / クロスセルさせるには?」や「T2D3達成の秘訣」を謳った本や記事に出会います。資本主義社会において、自社サービスの発展を考えれば当然といえば当然です。ですが、それでもやはりカスタマーサクセスと名乗っている以上、主語は「自社」ではなくあくまで「カスタマー」であってほしいと思います。

前職リンクアンドモチベーションでは、CSを担っていたこともあり、自分が思い描くカスタマーサクセスというもの(言うなれば、これまでの延長にはない新しい概念)を作って世に発信したいと思うようになりました。


社会的インパクトの大きさとレバレッジ

新しいカスタマーサクセスの世界を作って世の中にそれを届けたいと思った時に、社会的インパクトは必要条件だと思いました。成果なくして、新しい概念も何もないからです。

その中で、製造業というフィールドは国内での総生産額180兆円という規模がある一方で、100年にもわたって特筆するようなイノベーションがなかった産業。この産業が変われば、ものすごいインパクトが社会全体に伝わる。文字通り世界を変えることができます。そして結果として、新しいカスタマーサクセスの概念が世界を塗り替えることに繋がるはず。

こうして私は、キャディに入社を決めました。


転職してみて

コンサルティングとカスタマーサクセスは「移行」ではなく「循環」

製造業という言葉を自分がどれだけ表層だけで捉えていたかを痛感する日々…。恥ずかしながら、車を作るような大量生産系のメーカーと、コンビニで売っているおにぎり機械を作るような多品種少量系のメーカーとでは、ビジネスの成り立ちや商慣習が全く異なるといったことを、前職時代はほとんど知りませんでした。そして認知の網の目が細かくなればなるほど、新たな気づきやアイディアが生まれ、自社サービスのユースケースが細分化されていきます。

製造業の生産方式/製品イメージ

前職では、組織人事というあらゆる業種・業態に共通するテーマを取り扱っていました。様々な業種・業態を見ることができるからこそ、共通点や差異がわかり、そこから示唆を出すことができました。しかし、製造業という領域が絞られたことで、製造業内での差異を新たに探すことになります。そうすることで逆に見える世界が圧倒的に拓けるということを実感しています。

転職前はコンサルティングがカスタマーサクセスに置き換わると考えていたと書きましたが、単純にそういう訳ではない。単にフレームを振りかざすよなコンサルティングビジネスは確かに不要になるかも知れませんが、解像度高く、「個」に迫るような情報はそれ自体非常に価値が高いことを改めて認識します。どちらか一方に移行するというよりも、相互に循環しているイメージでしょうか。 これはHorizontal SaaS からVertical SaaS にフィールドを変えたからこそ得られた気づきだと感じます。


「コトに向き合う」ことで、ビジネスとカスタマーサクセスは両立する

社内では当たり前のようにDRAWERをグローバルなプロダクトにする会話が日々飛び交ってます。Salesとしての目標も非常に高い。それでもまったく違和感は感じていません。なぜか。

キャディに来て思うのは、社員全員がミッションである「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」にまっすぐであるということ。ここに狂気(侠気)じみた雰囲気を感じます。抽象度が高いワーディングであるにも関わらず、各自が自分事になっているのは組織として非常に強い。社内には「コトに向き合おう」という言葉がありますが、目的達成に最短で向かおうとする姿勢が顧客から支持や共感に繋がり、結果として業績という数字がついてくるのだと思います。

キャディのミッション

また役割としては、前職のCSから現職ではフィールドセールスに変わりましたが、ミッションにまっすぐであればロールは関係ないと強く思います。関わるフェーズ(顧客のご発注前かご発注後か)が違うだけで、カスタマーサクセスという大きなエコシステムを作る営みに違いはないですから。


正直言って、「社会的インパクト」は想像以上

社会的インパクトの大きさで製造業というフィールドを選びましたが、実際に体感するととてつもない…。「過去100年間、特筆すべきイノベーションが起きていない」と文字にすると簡単ですが、他業界と比較して何かが劣っていたわけはないはずです。他業界と同じように非常に優秀な人材が多数いて、そうした方々が膨大な時間と労力を使って何とかしようとしてきたわけです。それでも解決できないほどの課題ということですよね。しかもその課題が日本だけでなくグローバルに広がっているわけです。チープな表現ですが、本当に想像以上。でも、だからこそやる価値があると思います。


さいごに

次のカスタマーサクセスを作りたい。それをこのフィ―ルドで実現したい。この気持ちは転職前後で全く変わっていません。むしろ新しい視界がどんどんと拓け、わくわくの連続です。

という訳で、一緒にこういう世界を作ってみたいと思う方がいたらぜひカジュアルにお話ししましょう。私の現在の役割はフィールドセールスですが、こんなセールスもいるんだなと興味を持っていただけたら幸いです。

そして、この投稿はリレーです。
明日は、PRチームの浅野さんです~。


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