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アイタタなおっさんの群れ。「ヴィンランド・サガ」
閲覧ありがとうございます。
今日は、今、なお連載中らしい漫画「ヴィンランドサガ」をアニメ一気放送で、観たあとのコレアレを書いておこうと思います。
ヴィンランド・サガは、一期は、NHKで、放送したらしいです。NHKで、やるということは、放送受信料をもらった上でやることなんで、全国民に、見て欲しい、是非とも見て味噌!的な内容に違いありません。
なるほど、二期まで観た感想は、「これは!プーチン大統領に見てほしい!」、そして、あらゆる戦争を今、まさに、ジャンジャカやらかしている国の
トップに観てほしいなと思いました。
ヴィンランド・サガは、千年以上も前に、アイスランド、イングランド、スコットランドなどを舞台にした「ヴァイキング」の話しです。
主人公は、「トルフィン」。小さな頃に、村をヴァイキングに襲われ、最愛の父親を殺されます。
復讐を誓った幼いトルフィンは、海賊船に、ひっそりと、忍びこみ、敵の首領、アシェラッドをいつか、殺すべく、海賊団の一員になります。
そして、成長するにつれ、なんの疑問を持つこともなく、襲った村を焼き払い、命令されれば、敵の首をとってきます。
海賊漫画と言えば、「ワンピース」が有名ですが、
あの漫画は、異世界に属し、エンターテイメントの分野にあると思いますが、ヴィンランド・サガは、史実に基ずいて、いますので、悪役令嬢も勇者も、出てきません。
あと、昭和には、
こんなヴァイキングアニメがありました!
↓
![](https://assets.st-note.com/img/1712201608392-UQzLBHF7J4.jpg?width=1200)
「小さなバイキング、ビッケ」と、言います。
海賊という設定なのでしょうが、メンツが全員、
いい人そうです。船も、遊覧船みたいで可愛いく、
海上で、戦っても、こちらが、勝てそうな予感すらします。
お茶の間からの好感度も、凄かったことでしょう
それでは、同じ海賊設定の「ヴィンランド・サガ」の
船員を見てみましょう
↓
![](https://assets.st-note.com/img/1712201887791-LKHKdZ4P52.jpg)
まるで、検挙率が悪くて、これでは署に帰れないから、死角で違反車を待ち構える白バイ隊員のような
厳しい顔をしています。
ヴィンランド・サガは、心温まるアニメではありません。ある程度、覚悟して観ないと、残虐シーンがあるし、略奪シーンもあるし、「これが、過去にあったことなのか」と、同じ、人類として、「怒り」よりも、「情けなさ」が、じわじわとやってきます。
昔、「人権」は、プラゴミ以下でした。
不健康に太った、肌が荒れたおっさんのヴァイキング集団が、普通に畑などをやって、穏やかに暮らしている村を襲い、家を焼き払い、成人男性は、あらかた殺し、幼い子供や、女性は、奴隷にするために、
拐ってしまう。金品は、「勝者の権利」とか、自分勝手な言い分で、自分のものにしてしまう。
お前ら、海に帰ったら、ゴジラに、沈めてもらえ!
と、憎々しく思います。
トルフィンたちは、あるとき、最前線の将に任命されたデンマークの第二継承権を持つ、クヌートの隊と出会います。
この、クヌート殿下は、側近から、とても愛情深く育てられ、側近に依存しています。
指揮を取って、戦うなど、意識下には無く、常に神に祈ることで、心の安寧を保ち、荒くれおっさんたちから、詰め寄られても、側近の後ろに隠れてしまいます。
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したたかな、海賊団は、この側近を殺し、王子を
孤立させ、トップに立たせ、果ては、デンマーク王から政権をもぎとろうとか、考えます。アイタタなおっさん達には、
他に考えることが無いから、自然な流れでしょう。
彼らの理想の完成には、「誰かの破滅、誰かの死」が、必要だと思っています。しかし、本当に、
「誰かの死」が、本当に、自分達に必要かと、長い目で、考えてみれば、「それが、一番、手っ取り早いから」という、稚拙で野蛮な理由でしかないと思います。
この争いしかない、悲惨な時代は、人の顔を変えるんだなと、アニメを観て、痛烈に思いました。
トルフィンは、幼いころから、殺戮の場にいましたから、表情も、険しく、暗く、尖っています
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しかし、見ず知らずの人を殺しまくった自分の過去が、自分を殺しにくる時は、絶対に来るもので、
トルフィンは、海賊を抜けたあと、過去からの
呪いにより、無表情、無感動、と、脱け殻のような
奴隷になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1712276785009-7jXCfr5pnD.jpg?width=1200)
しかし、環境に、または、関わる人間によって、
彼は、良い方向に変わっていき、アニメ第二期の
終わりくらいには、笑えるようになります
![](https://assets.st-note.com/img/1712276893363-PvJ876IETD.jpg?width=1200)
逆に、料理好きな、神に祈ることを常にしていた
穏やか系のクヌート殿下は、神に祈っていても、
人は殺されるし、好きなものは奪われるし、野蛮な戦いは続き、それを止めてくれるように祈っても、
神は、何もしてはくれず、見ているだけ。
神など、あてにはならない。ならば、自分の力で、
この世に、安寧な地を造りだすしか道はない。
わたしのやり方で。
今日から、やったるで!
と、トルフィンとは真逆に、厳しい顔になってしまいます。
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人は、「おぎゃー」と、産まれた瞬間からの悪人は
いないと思います。産湯に浸かりながら、
(いつか、銀行強盗をやったるゼ)
とか、決心する赤ちゃんはいないでしょう。
環境によって、情緒が変化し、人格は形成され、
普段の表情も、あらかた、決まるのでは、ないかなと思います。
無力な子供が、環境を選ぶ力は、無く、大人の用意した生活環境で、育つしかないのですが、
ヴィンランド・サガを観ていると、決して、千年前の
大人だけが、アイタタなんじゃないなぁと、思いました。
信用でも、人でも、造形物でも、良い方向に育てるには、長い長い時間と根気と愛情と誠意と努力が
要ると思います。
このアニメでいったら、村人たちの長年の努力の
結晶、畑や家畜、家などなんですが、
海賊が壊すのは、一瞬でした。
作った苦労を知らないやつは、壊すのが平気なんですよね。非常に恥ずかしい行為です。
畑をするのも「人」、争うのも「人」。
地球上の人が紡ぐ歴史ですが、いつの時代にも、絶対に尊重するべきなのは、「人権」だと思います。
自分が、自分以外の誰かに、良いように、操作されないように、自分の環境を守る人権だけは、失くさないようにしなければと、このアニメを観て、思いました。
「ヴィンランド・サガ」
あまり、認知度が高くない作品みたいですが、
わたしの中では、殿堂入りです。
これからも、トルフィンの行く末を追っていきたいなと思います。
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