日常(g)
今日も僕は家から一歩も外に出ることはなかった。
今日の僕は、
午後、部屋が暑くて目が覚めた。
窓を開けても涼しい風がはいってくることはなかった。風はなく、蒸し暑い。
楽しげに話す小学生、中学生の声が聞こえてきたが、つらい気持ちにはならない。以前は、つらかった。だから、昼間は寝ていて、夜に起きていた。
つらくなくなったのは、自分と同学年の人たちがもう学生ではなくなったのもあるのかもしれない。
もう、大人。社会人。
僕だけは家の中で、何も変わらず、世界から取り残されている。
僕は誰の記憶にも残らず、僕自身も自分のことは消しさりたい。
僕は透明人間。風に吹かれて異国へたどりつき、砂嵐を起こす。
そんなことを考えるのが僕の日常。
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