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難民の現状と私の気持ち

本日、国連UNHCR協会のfundraiser天沼耕平さんに、その活動と難民の現状についてのお話を伺い、自分がいかに無知だったかを痛感しました。

私のように、UNHCRの存在を知ってはいても、「何をしているのか」と聞かれるとよくわからない、という人もいるかと思います。自分の国、住みたい町で平和に過ごしている私にできることといったら、現状を知り、少しでも多くの人に認知してもらうことことだと思います。少しでも多くの人に読んでいただくため、イラストと簡単な説明でまとめてみました。これをきっかけに、「もっと知りたい」「知らなければならない」と感じてくれる人がいたらすごく嬉しいです。


そもそも難民とは

難民」は、1951年の難民条約などによって、「自国にいると、人種、宗教、国籍、政治的意見などの理由で迫害を受ける恐れがあるために、他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」と定義されています。

それに対して「避難民」には漠然とした定義しかなく、「天災や戦災などから避難した人々」を意味します。日本は、難民条約を厳正に守っているため、ウクライナからの人々を「難民」ではなく、「避難民」と呼んでいるのです。

また「移民」は、強制移動させられた人たちではなく、どの様な理由であれ、自分の生活をよりよくするために他国へ移住する人々のことを指します。

UNHCRについて

UNHCRは国連難民高等弁務官事務所の略で、1950年に設立された国連の難民支援機関です。当初職員数は34名でしたが、現在では活動国世界135か国、職員数17,878名(うち日本約90名)、年間必要額91.3億米ドルの組織になっています。
現在、世界では1億人の難民や避難民などがいます。全人類の78人に1人が自分の住んでいたところから、強制移動を強いられています。その多くが子どもや女性です。私がこの文章を書いている今も、生きるために、自分の住んでいた土地を離れなければならない人々がこんなにもいるのです。

Fundraiserとは

本日お話を伺った天沼さんはfundraiserとして活動されています。
難民支援の資金調達には、国からではなく、民間の支援が必要不可欠です。もし国からの拠出金に頼っていた場合、政治的理由などにより、突如支援金削減・取りやめなどになってしまうと、難民の人々の「持続可能な安定した生活のための支援」ができなくなってしまうからです。だから、一人一人、個人の支援が非常に重要な意味を持ちます。

fundraiserは、そのような個人や民間からお金を募るお仕事だそうです。「何か社会の役に立ちたい人」から資金調達をし、「社会の問題を解決している人」に繋ぐ、というお話が非常に印象的でした。


難民の子供たち

天沼さんのお話の中で最も印象的だったのが、エチオピアの南スーダン人の受け入れを行っている難民キャンプでのことです。
難民の子どもたちは学校が大好きだそうです。なぜなら、勉強をすることが、現状を変える唯一の手段だからです。
そこで子どもたちに「将来の夢は?」と尋ねました。

子どもたちの答えは、○○か○○。
何だと思いますか?

答えは、学校の先生 か お医者さん。

始め天沼さんは、自分を助けてくれたお医者さんか、自分に希望を与えてくれる学校の先生、そんな職業に憧れているのか、と感じたそうです。
しかし実際は、難民の子どもたちは、大人というものを

   先生 医者 殺し合いをしている大人たち

の3種類しか知らないのです。
自分たちの大切な家族や友人を殺したような人にはなりたくない。だから、彼らの答えは学校の先生か、お医者さん。そのどちらかになるのです。

しかし、実際に学校の先生、お医者さんになれる子どもはどれだけなのか。
難民の子どもたちが教育を受けられる割合は、小学校で68%、中学校・高校の中等教育で34%、高等教育は5%に留まるといいます。
この事実から分かるように、現実はそう甘くはありません。

教育を受けていない子どもたちの多くは、苦境に立たされ、家族を守るために働きに出たり、「いい仕事がある」と戦争に駆り出されたり、人身売買のターゲットにされたりもします。それが現実です。

私たちにできること

難民問題に限らず、こうした世界の現状を知れば知るほど、自分も辛くなり、悲しくなり、何もできない自分の無力さにもどかしさを覚え、ぐるぐる考えては苦しくなり、また考えては、、、という循環に陥ってしまいます。しかし、時間が経つうちに、「自分事」ではなくなり、あんなにも苦しかった気持ちが薄れ、目の前のことに追われ、何気なく時間は過ぎていきます。
それだけで終わっていては、何も変わらない、変えられない、と思い、今日このnoteに、感じたことや皆に知ってもらいたいことを文字に起こしました。

私にできること。それは知ること、広めること、この悲惨な現状が同じ世界で同じ世代の仲間たちに起きていることなのだと、他人事ではなく捉えることだと思います。そして誰か1人にでも私の文章が心に伝わり、何かしらの変化が起こったらいいな、と思います。

何も恐れることなく、教育を受けられる、自分の思いを発信できる、というありがたみ。そんな自分の恵まれた環境を活かして、少しでも世界がよりよくなる方向に動かす一員となれたらな、と思います。

終わりに

初めてこんなに長い文章を書いたのでまとまりのないものですが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。少しでも何か感じてもらえたら嬉しいです。
もっと難民について知りたいと思った方にぜひ見ていただきたい動画のURLを以下に記載しておきます。


参考資料

UNHCR 日本
「避難民」は難民とは何が違う? 日本の難民政策の基本を解説 | shiRUto(シルト)
職員インタビュー 国連UNHCR協会:天沼耕平 | 国連UNHCR協会 (japanforunhcr.org)
難民を知る。支援を知る。守られるべき人権とは何か? 国連UNHCR協会の天沼 耕平さんに聞きました | オンライン学習会「出口の見えない難民問題の今」詳細レポート(1) | 生活協同組合 パルシステム東京 (palsystem-tokyo.coop)

※本記事は、天沼耕平さんに許可を得て公開しております。



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