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モンスター・・・

 ペアレンツ、じゃないです。最近、先生の中にも「モンスター」になりそうな人、いませんか?

 この前、新採用から数年経って、異動して2校目の割と「できる」先生が、新採用数年の若者教師に叱責している場面に出くわしました。なだめる前に、ちょっとその内容を聞いてみたんです。

 若者は、学年行事を企画していて、その段取りがなかなか見えていなくて、手探りで案を出してくるので、他の担任陣がフォローしないと進まない。剛を煮やしたその先輩教師が雷を落とした形になっていました。言い方がかなり強かったので、若者は落ち込んで何も言えず、下を向いて座り込む様子。

 「ちょっと言い方がきつかったけど、どうした?」と、トイレに向かいがてら話しかけてみたら、少し反省している様子。普段は後輩の面倒見もいいので、気持ちを聞いてみたらこんなことを言っていました。

 「最近彼のクラス、彼と関係があまりよくないですよね。話し方も事務的だし、人間臭さもないし。生徒達からも、つまらない先生って言われてますし。行事の企画も、なんかこう、こういうふうにやったらいいだろうな、とか、どうやったらいいですかね、とか全然聞いてこないんですよ。何でそんな簡単なことができないかなぁ、って思ったら怒りが込み上げてきちゃって、、、」

 現在私が勤めている学校は、公立の中学校ですが、地域に富裕層が多く、割と先生を先生と見てくれている反面、何でもできる先生になることができないと、親子共に冷たいことが多い。

 だから先輩の先生も、自分も悩みながらも、うまくいっている実践を、他の教師もやれていないと、「そこが穴になる」みたいな意識が強い。決して自惚れている訳ではなく、逆に仲間意識が強いからこその、「パワハラ」が行われてしまう、、、

 保護者からは、一番やってくれている先生にスタンダードを設定し、それから漏れる先生にはとても強く否定してくることがとても多い。それを恐れるがあまり、同僚にもきつく当たってしまう。

 決して、憎むべき「モンスター」ではなくで、ちょうど本当は避けたいのにゾンビに噛まれて自分もゾンビになってしまった的な。

 生徒にはそれぞれの個性を認める、ってなっていますよね。では、先生はどうなのでしょう。「できない」先生は不用ですか?生徒がそう思っていたら、そこにいる「できない」生徒はどう思いますか?自分の事、不用だと思ってしまいませんか?

 それって悲し過ぎる、、、

 私の立場が学年主任というのもあってか、その間を埋めてしまいたい。そのために力を尽くしたい。普段「できない」私が、そう願ってやみません。

 自分から望んで、「モンスター」になる人なんていませんよね。

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