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【映画#67】「流されて」『あの空の下で』より

こんにちは、三太です。

4月ラストの平日となりました。
いよいよGWへと入っていきます。
どうやら今年のGWには10年に一度の暑さがやってくるようです。
この前の1月にあった10年に一度の寒波ではなかなか大変な目に遭いました。
どんな暑さになるんだろうと少しビビッている今日この頃です。

では、今日は『あの空の下で』に出てきた映画、「流されて」を見ていきます。
『あの空の下で』に出てくる13作の映画のうちの11作目です。

基本情報

監督:リナ・ウェルトミューラー
出演者:ジェナリーノ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)
    ラファエラ(マリアンジェラ・メラート)
上映時間:1時間49分
公開:1974年

あらすじ

はじまりの舞台はヨットの上。
このヨットを貸し切りで使っている資産家の妻、ラファエラ。
ラファエラの偉そうな態度に苛立ちを隠せない、給仕係の男、ジェナリーノ。
この二人がひょんなことからボートで二人流され無人島で暮らすことになります。
すると、無人島で二人の関係性が逆転してしまいます。
ジェナリーノは持ち前のサバイバル技術を駆使して、なんとか食料を得ていきます。
途中まで偉そうにしていたラファエラはだんだんジェナリーノに服従していきます。
ジェナリーノにとっては日頃の苛立ちを発散できる最高の状態になりました。
二人は歪な愛を育んでいきます。
無人島から脱出できてからもその愛は続くはずでした・・・。
無人島での官能的な関係を通して、愛とは何かを問う映画です。

設定

・無人島
・愛とは何か
・政治的な対立の構図も描く

感想

とても構図が分かりやすい映画でした。
金持ち対貧乏という構図が逆転して何が起こるのかということが描かれています。
ただ、もう少し細かく言うと資本主義と共産主義の対立構図も描かれているのかなと思いました。
そして、この映画の本質は逆転した構図の中で育まれた愛はどうなるのかというところにあると思います。

男の哀れさ、愛の儚さが際立っていました。
男の恨み、そして支配欲が強すぎたのが結末へと大きく影響したように思います。
確かにラファエラは金持ちで、鼻持ちならなくて、端的に言うとジェナリーノにとってはとてもむかつく奴だと思うのですが、それでもラファエラに対する無人島での仕打ちはひどいなと思いました。
けれども、閉鎖的な空間では判断力が鈍るのか、ラファエラはどんどんジェナリーノに支配され、むしろ愛した状態になります。
ただ、それはもちろん本当の愛ではなかったのでしょう。

無人島影二つ伸び汐干狩り

その他

・ウィキペディアより
→イタリアのコメディ映画

確かにコメディとも言えなくもないですが、途中からはそんな雰囲気はなかったような・・・。

『あの空の下で』内の「流されて」登場シーン

短篇のタイトルの一つとして出てきます。
 
吉田修一が書いた「流されて」は語り手の私が、尚也という婚約者とハネムーンでマレーシアの孤島を訪れる話です。
私は尚也と付き合う前は、どちらかというとダメ男とばかり付き合うような人でした。
そんな私がついにたどり着いた相手である尚也は結婚相手としては最適な人だったのです。
映画との共通点としては「舞台が孤島」ということが挙げられます。
逆に相違点としては短編では「男女が結ばれる」「その結びつきはとても現実的」ということが挙げられます。

吉田修一作品とのつながり

・明確な主題がある(『悪人』)

以上で、「流されて」については終わります。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

画像の出典:Amazon「流されて」  

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