【作品#7】「熱帯魚」『熱帯魚』
こんにちは、三太です。
生徒達の国語のノートを読みながら、「(生徒達に)あの本を紹介したいな、この本も紹介してみたいな・・・」とあれこれ考えている今日この頃です。
では、今回は「熱帯魚」を読んでいきます。
初出年は2000年(11月)です。
文春文庫の『熱帯魚』で読みました。
あらすじ
大輔という大工が語り手です。
大輔の彼女の真実、その連れ子の小麦、そしていそうろうの光男。
いわゆる普通とは違う家族のあり方が周囲の状況・人間とともに描かれます。
例えば、周囲の人間とは、大輔が建築に携わっている家の娘であったり、大輔が住むアパートの大家である大学教授であったりします。
様々な事件や出来事が起こり、大輔の過去と現在がつながっていきます。
以上は、私が作ったあらすじで、吉田修一さんの公式サイトに載っていたあらすじがわかりやすかったので、そちらも紹介しておきます。
出てくる映画(ページ数)
①「羅生門」(p.31)
光男が芝居で取り組んでみたいと考えているのが、この「羅生門」です。
今回はこの一作でした。
感想
文庫でわずか100ページ弱の中に、色んな話が凝縮されていました。
事件やちょっとした騒ぎがいくつも起こります。
これらをつなげて考えると、ある解釈が浮かび上がるのかもしれませんが、残念ながら私はまだつなげて考えられていません。(これはなかなか難しい・・・)
ただ、解釈ができないからと言って、面白くないかというとそういうわけでもなく、また読んでみたくなる作品でした。
少なくとも「熱帯魚」は色んな場面に現れてきますし、これはキーポイントであると思います。
大輔が何かと頼りにしている大学教授は、(あまり深くは描かれないのですが)同性が好き(男性が好き)という前提で話に登場します。
また、吉田修一作品に同性愛というテーマが出てきました。
部分的なところで言うと、家の建築現場のにおい立つような描写が秀逸だと感じました。
次回は「羅生門」を見ようと思います。
実は一度見たことがあって、その時は途中で挫折してしまいました。
今回は挫折しないよう、最後まで楽しみたいです。
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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