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【映画#16】「ニュー・シネマ・パラダイス」『パレード』より

こんにちは、三太です。

先日、学校の生徒会活動で、哲学対話という取組を行いました。
生徒達が話し合いたいと考えた問いについて、熱く語り合いました。
私は外から見守っていただけですが、その熱さがこちらにも伝わってきました。
またこういった活動ができたらいいなと思っている今日この頃です。

では、今日は『パレード』に出てきた映画、「ニュー・シネマ・パラダイス」を見ていきます。
『パレード』内に出てくる映画26作中の7作目です。

基本情報

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演者:アルフレード(フィリップ・ノワレ)
    トト・サルヴァトーレ(ジャック・ペラン)
    若いエレナ(アニョーゼ・ナーノ)
上映時間:2時間54分
公開:1988年

あらすじ

サルヴァトーレというおそらく50歳ぐらいの男が主人公。
彼は映画業界で成功をおさめています。
その彼が郷里からのある知らせを受け、長らく帰っていなかった(30年ほど)郷里での思い出を回想します。
その思い出の中心となる場所は「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画館。
そして思い出す人はそこの映写室で働いていたアルフレードという男です。
サルヴァトーレはアルフレードと付き合う中で、成長していきました。
成長していったサルヴァトーレはエレナという女性に恋に落ちます。エレナとの恋はどうなっていくのか。
そういった過去を回想し、そしてそれが現在につながる壮大な話です。

設定

背景に戦争がある

感想

けっこう感動しました。
人間への信頼と言うか、「お前なら俺の言うことを分かってくれるだろう」というような、人と人との繋がりが描かれているように感じました。
時を経て知る事実、ただ、もうその過去は変えられないほど時が経っている・・・
その点は映画『ひまわり』にも通じるように感じます。(主人公のサルヴァトーレの父がイタリアからロシアへ戦争に行っているというのも『ひまわり』と同じ。イタリア映画で何度も描かれたことなのかもしれません。)
また、長い映画なのですが、はじめの伏線が最後に回収されるというのも感動につながっているのかなと感じました。
とにかく感動できる話でした。
ちなみに、この映画は短縮版と長尺版があるみたいですが、私は長尺版で見ました。

西日照りフィルムを回す映写室

その他

イタリア映画
ウィキペディアより→アカデミー外国語映画賞・カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリを受賞

吉田修一作品とのつながり

この映画のラストに出てくるシーンは『パレード』の設定に通じます。

そして、そのビデオテープには、私が知っている限りの映画に出てくるレイプシーンが録画されている。ちょうど『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画のラストで主人公が観る、キスシーンばかりを繋ぎ合わせたフィルムのように、何十という映画のレイプシーンばかりが、このSONYの120分テープにはまとめられている。

『パレード』(p.153)

これは相馬未来という登場人物のエピソードです。
このあと、レイプシーンのある映画がいくつも羅列されていきます。
未来はアパートでの共同生活をする前は、一人暮らしをしていました。
そのときにこのビデオテープを見ると、不思議と気分が落ち着いたようです。
引用部分の少し前に描かれるのですが、未来の両親はDVの関係にありました。母親が嫌がる中、父親が「そのための女房だろ」と迫ることもあったようです。
未来はレイプシーンの映像を見ることによって、母親がされたことによる傷(自らも含めて)を少しでも癒そうとしていたのかもしれません。
 
 
以上で、「ニューシネマパラダイス」については終わります。
じわーっと感動する映画でした。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

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