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【作品#13】『ランドマーク』

こんにちは、三太です。

前回の投稿では2回目のまとめをしました。
ここまでのところは自分なりに整理できたかと思います。
ただ、まだまだ吉田修一作品はたくさんあります。
これからもコツコツと読み、そして見続けていきたいと思っている今日この頃です。

では、今回は『ランドマーク』を読んでいきます。

初出年は2004年(7月)です。

講談社文庫の『ランドマーク』で読みました。

あらすじ

全体の流れは「O-miyaスパイラル」という大宮の超高層ビルの建設、隼人の貞操帯、犬飼の不倫が軸となって、進行します。
また、O-miyaスパイラルの螺旋構造と同様に、隼人と犬飼の語りが交互に登場します。
隼人の同僚、恋人、犬飼の妻、不倫相手など様々な登場人物がいるのですが、家族の問題を抱えている(それほど作品中で描かれているわけではありませんが)人物が多いです。

文庫の裏表紙の紹介文も載せておきます。

大宮の地にそびえた地上35階建ての超高層ビル。それはフロアがねじれながら、巨大な螺旋を描くという、特異な構造をもっていた。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人、ふたりの毎日もビルが投影したかのように不安定になり、ついにゆがんだ日常は臨界点を超える。圧巻の構想力と、並はずれた筆力で描く傑作長編。

出てくる映画(ページ数)

今回はありませんでした。
いくつかのドラマや空撮のDVDは出てきましたが。
あえて、映画を出していないのかなと思うほど、映画ではないものが取り上げられていたようにも思います。
 

感想

最後は「これでもう終わり?」という感じでした。
なぜ隼人は貞操帯をつけていたのか、犬飼の女性関係はどうなったのか、良治はなぜ自殺したのかなどいくつか謎が残りました。
色んな描写をもとに考えられるのかもしれませんが・・・。
少なくともハッピーな終わり方ではありません。
O-miyaスパイラルというビルの建築に携わる人達の闇が、そのビルに、まさにスパイラルに飲み込まれていく感じでしょうか。
もう少し深く読む必要もありそうです。

隼人と犬飼のミニバスをやっていたという共通点がバスケットボールに関わっているものとしては嬉しかったです。
話の内容にも多少関わりがあり、例えば、設計士である犬飼の建築との出会いは、全国ミニバスケットボール大会で訪れた代々木体育館だったというエピソードなどがあります。
吉田修一作品に出てくる登場人物は地味に、バスケットボールに関する人が多いです。
前回紹介した作品の『長崎乱楽坂』でも、駿は小学校の頃にバスケをしていました。
ここらへんも少し解き明かしてみたいポイントではあります。
 
木枯らしや闇を抱えてスパイラル
 
次回は『春、バーニーズで』を紹介します。

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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