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塾の最底辺だった時代の話


〜塾の最底辺だった時代の話〜

私は小学生の頃、数ヶ月という期間ではあるが学習塾に通っていた

幼い頃から勉強は苦手でおまけに向上心さえも無かったので塾には興味が全くなかったが、
ある日突然母に「今度から塾通うことになるから、よろしく」とだけ言われた。

その塾は、生徒を県内トップ高校に輩出させることだけを目的としたかなり特殊なところで、地元の超進学塾として有名だった。

可能性がある子を絞るためなのか、通塾の前に入塾試験があった。

進学校に行くつもりはさらさらなかったが、試験を受けるからにはほどほどに勉強をして臨んだ。超進学塾を掲げるだけあって周りのメンツは同じ小学校の優等生ばかりで緊張はしたが、結果は私の1つ下で足切り、ギリッッッギリで合格することができた。

喜びも束の間、試験の成績に基づいでクラスと座席が割り振られるのだが、クラス座席ともに1番下のランクだった。ここから最底辺としての塾生がはじまる。

そもそも、私は物心ついたときからとてつもなく要領が悪かった。話を最後まで聞けないわ、期限も守らないわ、忘れ物は尋常じゃない。こんな感じなので親から発達障害を疑われていた。
なので当然、生徒の質も高く授業スピードも早いためついていけなくなり、成績の悪さは顕著に現れる。
大量の宿題を出されつつなんとか間に合わせるも、答え見ながらやっただろなど濡れ衣を着せられ居残りすることもしばしば。
間に合わない→ノートにお怒りのコメント
間に合う  →答え見ながらすんな!!
なので、どちらしろ怒られる運命だった。
じゃあどうしろって言うんだ。

そんな日々が続き、周りが塾に馴染み始めた頃、友達がおらず成績の悪い私は教室で浮き始める。
そして当時学校で1番仲の良かった女子は塾トップ生だったので、その子から馬鹿だのアホだの罵倒されいじめられるようになる。

先生から家に宿題が間に合ってない、授業のペースについていけてないなどのお叱りの電話が頻繁にかかるようになり、その度に母を怒らせた。当時の嫌いな音ランキング1位は受話器の音だった。

教室の前から私の悪口で盛り上がってる声が聞こえてくることもあれば、先生に教室で私のミスを晒され笑われることもあった。
教師に嫌われるのは慣れっこだったので当時は気にしていなかったが今思うと殺意さえ湧いてくる

(どうでもいいエピ)
「落」←のくさかんむりが氵の外側まで伸びてないとの理由で隣の席の子に採点でバツをつけられる(しかも漢字テストですらない)が先生に相談しても「知らん自分で考えろ」と一蹴されて終了

いよいよ宿題未完了常習犯に成り下り、先生から「退塾させるぞ」と脅されるようになる

入塾から数ヶ月、電話がかかりまくって母親がついにぶちギレ。
私の席を尋ねてきたので正直に1番前の席であることを打ち上げると発狂して泣き崩れる
「そんなんならとっとと辞めろ!」と言われた。(←お前が勝手に申し込んだんだろ
そして解放感とどっから沸いてるのかわからない若干の名残惜しさに浸りながら先生にお別れの挨拶をしに行く

(どうでもいいエピ②)
その日の夜、大都会で祖母とショッピングしている最中スカートががっつりめくれていることに気づく。もしかしたらパンツ丸出しでお別れしてたのかもしれない

退塾した後、学校で「ついに成績不振で強制退塾1号がでた」と噂が流れる。一応強制退塾ではないがそう言われるのも仕方ないのでなんとも言えない

ちなみに、数年経ったある日、塾時代唯一キモがらず接してくれた女の子が「で、1番最初に辞めされられたのが〇〇さんなんだって!」と友達と会話している場面に遭遇した。
気まずそうな顔をしていたのを覚えている。


なぜ母は勉強の才能がない我が子を進学塾に入れたのか…
恐らく自身が国立卒元家庭教師だったので自分の娘が勉強できない事実を受け入れられなかったんだと思う。
そして、私の地域はなぜか医者の子供が多く勉強熱心な子が大勢いたので、そういう環境下で娘が遅れているという焦りもあったんだろう。
気持ちはわかるが、結局は自分の親としてのメンツを潰されたくないだけで、子供にエゴを押し付けているだけじゃないだろうか…。

母の本気で怒る姿はヒステリックの域を超えているので今は慣れたが小学生の頃はとても怖かった。
ただ、塾以前の習い事でも全て母がやる気のない私に痺れを切らして辞めさせるという形で終わってきたので、私に塾を辞めるという発想はなかった。なので母に辞めろと言われて安心した気持ちも正直あった。


この時代の名残なのか、今でも勉強という言葉に過剰反応してしまい咄嗟に「私ほんと数学できないんですよ〜!」とよくわかんない自分語りを始めてしまう。
反射で言ってるので自分でも理由はわからないが、多分相手に馬鹿を悟られる前に「自分で馬鹿自覚してる分マシだよ」っていうアピールなんだと思う…悲しいね…

とにかく、自分の意思ではないとはいえ、背伸びしすぎた環境は辛いということを学べて良かった。勉強量と己の要領とのバランスが大事!!
ということで、閲覧ありがとうございました。

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