『ゼロ秒思考』A4メモ書き3000枚書いてみて
1 はじめに
赤羽雄二さんの提唱する「A4メモ書き」を実践しています。
赤羽さんによると、A4メモ書きは「頭がよくなる世界1シンプルなトレーニング」とのこと。
メモを書くだけで本当に頭が良くなるのか?と初めは半信半疑でしたが、やってみると本当に効果を実感することができました。
A4メモ書きの効果については、すでにたくさんの方が紹介されています。
そこで自分なりの視点という意味で、どうしてメモ書きを始めたのか、今後の目標などについて書いてみたいと思います。
2 A4メモ書きを始めたきっかけ
人生を変えてくれた内観療法
私は子供の頃から、自分に自信がなく、コンプレックスだらけの人間でした。大人になってもずっと悩み続けていました。
そんな時出会ったのが、内観療法でした。内観療法とは、日本で生まれた精神療法(自己洞察法)です。
内観研修所と呼ばれる施設に1週間泊まり込み、情報を遮断した状態で行います。読書やスマホは禁止となります。
施設内では、屏風を立てた半畳のスペースにこもり、決められたルールに従って過去の自分を調べます。
決められたルールとは、相手と期間を決め、その相手に
①していただいたこと、
②して返したこと、
③迷惑をかけたこと、
の3つの観点で自分を調べる、というものです。
調べていると1~2時間おきに、面接者と呼ばれる人が来ます。そこで、その時間に調べた内容を報告します。
報告は例えば
「今の時間、母親に対しての0歳から6歳までの自分について調べました。
していただいたことは、保育園におんぶして送ってくれました。
して返したことは、買い物の袋を持つのを手伝いました。
迷惑をかけたことは、ふざけて料理に洗剤を入れようとし困らせました。」
のように行います。
(していただいた事は、感謝しているかとは切り離し考えます。一度でもご飯を作ってもらえば、していただいた事として答えることが可能です。)
面接者の方は全身全霊を傾けて報告を傾聴してくれます。しかし、報告に対する質問やアドバイスは基本的に一切ありません。
(もちろん、こちらからの質問に対しては、ていねいに答えてくださいます)
これを延々と1週間続けるだけなのですが、非常に効果がありました。
自信があるとかないとか考えることが減り、やれることをやろうという姿勢に変化しました。
無くしたかったコンプレックスは、案外自分にとって大事だったのかもと思うようになりました。そして悩むこと自体がなくなりました。
内観に行くのは何かにかなり悩んでいる時です。しかし、終了後は必ず穏やかな気持ちになります。
そのため、ゴールデンウィークや年末年始の連休が取れる時、あるいはいきづまったときには内観に行くのが習慣になりました。
経験回数は10回を超えました。内観をしていなければ、家庭を持つこともできなかったと思います。
内観療法 唯一の問題点
何があっても内観に行けばなんとかなる。そう思うくらい、私にとって内観は大きな支えとなりました。
ただ、その内観にも1つ大きな問題がありました。それは、誰にも連絡を取らない状態で1週間過ごす必要がある、という点です。
家庭を持っていて、連絡もとらずに一週間家をあける。これは簡単にできることではありません。
私は悩みの解消法を内観以外、ほとんど持っていませんでした。そのため、結婚後は内観に行けず、ストレスを蓄積していくようになりました。
これではまずいと、いろいろな方法を試しました。ある程度の効果はありました。
しかし、日々の悩みを完全には解消できませんでした。そして仕事も家庭もかなり追い込まれた状況になってしまいました。
そんな中、半年前にA4メモ書を始めました。実は過去に1度、A4メモ書きを試しています。その時は、30枚程度ですぐにやめてしまいました。
しかし今回は、赤羽さんが本で書いているように、1日10枚を最低は3週間続けてみよう。そう強く決意し、実践を開始しました。
3 A4メモ書きの方法
これは赤羽さんの本に書かれているとおりです。
①A4用紙を用意し、横置きにする
(バインダーにセットする。ペンはVコーンがおすすめ。)
②左上にタイトルと下線、右上に日付を書く
(後で見返すときに便利)
③ダッシュ+タイトルに関して浮かんだこと、を4~6行書く
(1件1葉とする)
④1行は20~30文字が望ましい
(漢字も普段使うレベルで使う)
⑤ ②~④を1分で行う
(ここが非常に重要)
⑥メモを1日10~20枚書くと頭が整理される
(書くタイミングは、思い浮かんだ直後が望ましい)
⑦メモは内容で7~10種類に分類し、クリアフォルダに保存
(カバーアップテープに分類を書いて貼る)
⑧メモを3ヶ月後、6ヶ月後にさっと見直す
(それ以降は見直さなくてOK)
自分なりのアレンジは一切行っていません。本に書かれている通りのやり方が、おそらく最善だと考えるからです。
どうしても書き足したいことがある場合、あるいは字が汚くて自分でも読めない場合がたまにあります。
その際は、これも本に書かれていることですが、15秒までは書き足しや字の修正を行うことがあります。
4 A4メモ書きの効果
役員へのプレゼンがうまくいった
効果を実感できる機会は、意外に早く訪れました。上司からある日突然、「役員の前でプレゼンをして欲しい」と頼まれたのです。
プレゼンするのは、資料の中の自分が作成したわずかな部分でした。しかし、上司が報告すると思っていたので、びっくりしました。
役員の前でプレゼンしたことなど、これまで一度もありません。残された時間は半日もありません。
とにかくメモ書きをしてみました。どんな順序と内容でプレゼンを行うか。役員はこのプレゼンで何を確認しようとしているのか。
会議が始まってからもメモを書き続けていました。すると、言うべきことが自然と整理されました。
結果、落ち着いてプレゼンができました。質疑も何の問題もなく対応でき、自分が驚きました。
指示がスムーズに出せるようになった
また、仕事では指示を出さなければいけない立場です。しかし、明日何をしたら良いのか、自分でも全く分からない状態でした。
当日になって、朝会の途中で考え、なんとか取り繕っているような毎日でした。
それがメモ書きをすることで、これから何をすべきかわかるようになりました。指示をスムーズに出せるようになりました。
5 A4メモ書きの現状
開始から半年くらいで、枚数は合計3000枚程になりました。書いたメモはクリアフォルダに保存しています。
フォルダの分類は
「仕事」
「家族」
「もやもや(頭に浮かんだこと)」
「長期ビジョン」
「成長」
「直近なにをすべきか(仕事以外)」等としています。
赤羽さんが作られた、スキル成長段階目安という図があります。
これを見ると、3000枚はレベル6:中上級者(数千ページ)という分類になっています。
レベル6は
「毎日10-20ページのA4メモ書きを通じ、多くの問題が整理される。状況に応じてタイトルが浮かぶ。」
「多面的な書き方もだいたいできる。もやもやを感じることはもうほぼない」
と書かれています。
確かに多くの問題が整理されるようになりました。状況に応じてタイトルも浮かびます。
ただ、もやもやを感じることはまだ多いです。もやもやというフォルダに分類されるメモが、たくさんあります。
3000枚ですと、このレベルの入り口だと思います。5000枚、7000枚と書いていけば、また違う世界が見えてくるのかもしれません。
メモの中身でレベルが決まると言われると、書くにしたがってプレッシャーになります。書くのが怖くなります。
しかし、書くほどレベルが上がるいうのが、この成長段階目安です。プレッシャーならず、継続の面でとても励みになっています。
6 今後の目標
1万枚を超えたいと思っています。とはいえ、これはハードルの高い目標です。
これだけを目標にしていると、つまずいた時にすぐ挫折すると思います。そこで、直近の目標を5000枚とすることにしました。
最終的には数万ページに到達できたら、と思っています。
そして、自分がメモ書きしている姿を見て、誰かが、例えば子供が自然とメモ書きを始めてくれたら、素直にうれしいです。
この人がやっているなら自分もやってみよう、そう思われるような人間になりたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後もがんばって記事を投稿していきます。
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参考
赤羽雄二著 ゼロ秒思考