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春のような温かさがいつもある学校に… 細やかで、優しい視線が見つけるもの 〜心の宝物131

🌷里山の贈り物


山に囲まれた小さな学校
朝夕はとりわけ風の冷たさを感じる季節になりました。野山では、ウルシが紅葉し、ドングリが実を落とし、にぎやかに秋が深まっています。子どもたちも、自然が催す秋のお祭りに、生き生きと参加しています。

2年生の彼は、今日も朝の玄関で秋のお祭りで手に入れた「宝物」を見せてくれます。しっかりと手に握りしめてきたそれは、朝顔の種とヤシャブシでした。どこで、何をしていて手に入れたのか、生き生きと伝えてくれる目の輝きには、探究心があふれています。

「よくみつけたね。あなたの目と心が優しいから、秋の宝物が光って見えるのだよ。また教えてください。楽しみにしているよ」
そう伝えつつ、撫でる頭の、彼の命の温もりを全身で感じつつ、跳ねるように教室へと向かう背中を見送ります。

🌷細やかで、優しい視線が見つけるもの


彼の自宅は校区の西の端、豊かな里山に抱かれるようにあります。私の通勤路に面しているため、折々に、お家の彼を目にすることがありました。里山からなだらかに下る、広い敷地で、小さな妹を優しく伴い、自転車に乗ったり、何かを探したりしつつ、仲よく遊ぶ姿は、まるで絵本の中の兄妹のようでした。

彼の細やかな視線は、周囲にも、自分自身にも向けられているようです。いつも穏やかな笑顔の、その目でとらえた物事に、感性のフィルターがかかり、したいこと、した方がいいことを自ら決めて行動する。目に入る自然の事物を五感で受け止める、名を呼んでくれた人の思いに応える、掃除する場所に、共に働く仲間に、心を向け、自らの在り方を決する。

彼の豊かで優しい感性を、守り育てうる学校でありたい。
そう強く決意した秋でした。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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