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春のような温かさがいつもある学校に…30m離れていても心は届く 心の宝物09

コロナ「機」に込めた願い

コロナ機の学校。
※コロナの時代を生きることは苦難には違いありません。しかしその側面ばかりを強調すると、あらゆる景色が暗いニュアンスを帯びて見えてしまうのではないか。その場の自分を自分で決め、行動し、試行錯誤しながら自分を省察するまたとない機会とすることもできるはず。そう決意して一貫してコロナ「禍」でなくコロナ「機」と発信していました。

廊下のはるか向こうから押された背中


朝の教室の巡回を終えた1時間目の終わり、チャイムを聞きながらのんびりと廊下を歩いていました。
「校長先生!おはようございます!」
どんっ!と背中にぶつかってくるような衝撃とともに、廊下に大きな明るい声が響きました。
振り返ると、はるか向こう、かつて大規模校だった名残の、長い長い廊下のほとんど反対の端に笑顔の彼女がいました。
全身が温かい気持ちに包まれました。

このとき彼女は3年生。傍にいる者まで幸せを感じるとびきりの笑顔。くるくるとよく動く大きな目で周囲をよく見つめ、あらゆることに興味をもち、気づいたことを率直に、怯まず、行動で、よく通る明るい声で表現できる人でした。

「そこまでしなくても」と伝えたくなほどの言動を選びとる感性、周囲への善意の関心、勇気


あんなに遠くから、背を向けている私に向かって、あんなに声を張って。そこまでしなくてもいいんだよ。
びっくりしたよ。でも本当に嬉しかったよ。
同じ状況で同じようにできる人が、大人でもどれくらいいるだろう。よく、そこにいると気づいてくれた。そこでよく、挨拶で、心を届けることを選び取ってくれた。おかげで、全身が幸せな気持ちでいっぱいになったよ。
そんなあなたが誇らしい。そんなあなたとともにあれることが誇らしい。
あなたの決心を、行動を、それを支える優しさを、勇気を心から尊敬するよ。身体の距離はどれだけ離れていても、心のこもった挨拶は、心の距離をゼロにしてしまう力があることを、あなたから学ばせてもらったよ。ありがとう。

そんな思いを込めて伝えました。

彼女の選択は、多くの子の心を打ちました。この後、倣う姿が、温もりが、少しずつ、さざなみのように、全校に広がって行きます。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうかありのままで
どうか 幸せで

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