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僕には女心がわからない

「おさる、交換日記持ってきた?」

彼女の朝1番の言葉だ。

「うん」

そういって、昨日張り切って書いた日記を差し出した。


しかし、嬉しそうな彼女の顔は一瞬で曇った。

「何これ?」

「何って・・・」

「全然、書いてないやん」

僕は黙った。


書いてないことはない!!

僕が腕を奮って描いた作品がある。

「上手い?」

「別に」

何故か不機嫌になった。


学校でも僕のとこには来なくて女子トークに弾んでいた。

「あ、一緒に帰る?」

「どっちでも」

まだ、怒っていた。


僕が交換日記を漫画のイラストでうめてしまったからだな。

褒めてもらえると思ったんだけどな・・・


「次は、ちゃんと書くから」

「何が?」

「あ、交換日記」

「絶対?」

「うん」


いつもの通りに戻った彼女はよく喋った。

楽しそうに昨日のテレビのことや友達のこと・・

よく、そんなに喋ることがあるもんだ。


「日曜日どっか行こ」

「あ、日曜日はバイトで無理かな」

「え?何時まで?」

「14時から18時まで」

「えぇーーーーーー」

また、黙り込む。


「朝ならいいけど」

「朝は無理かな・・」

「バイト終わってからは?」

「・・・・」


なんなんだ、いったい。

「怒った?」

「別に・・」

怒ってるよね?


誰か、この空気を何とかしてくれぇ~

つづく


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