二番目の恋
僕は、今でも多分あれが初恋だったのかと思うことがある。
中学生になったばかりの頃、チビだった僕はいつも女子に囲まれてオモチャのような存在だった。
「可愛いぃ~」
まるで子ザルでも見るかのようにだ。
そんな中でも僕より数段デカい女子が毎日後ろから抱き付いてきて振り回してくる。
僕は、かなりイヤだった。
でも、突然いなくなった。
どっかに転校して行った。
あぁ~助かったと思っていたけど・・・
何故か僕の頭からその女子が離れなかった。
イヤだと思っていたのに、いつのまにか淋しいって思っていた。
「好きだったのかな・・・」
後に再会を果たしたけど懐かしい感情はあったけど思い出になっていた。
もう好きとかじゃなくなっていたのかな・・
ただ、懐かしくて嬉しかったけど。
多分、あれが初恋。
ところが僕ももう高校生になって背も伸びた。
後ろから振り回されるなんて無様なことはされたくない。
今は死ぬほどイヤだ。
だってクラスに気になる女子の存在がいるから。
僕のプライドは背丈と共に大きくなっている。
「おさる、お前好きなやついる?」
当然の友達同士の会話だ。
「別に」
いつも僕はそう言っていた。
ところがいるんだ。
実は、僕は意外にモテていた。
きっと子ザル的要素はあるけど優しいのもある。
社交的にもなってる。
このモテ期が大事だ。
んん・・僕が小さいからか何故か気になる子は僕より少し大きい。
でも二回目の恋は実らせてやると決めていた。
つづく
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