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自分の心のしずかな革命・ひと休み021

医療にとっての「仕方ない」とは

自然に沿いながら逆らって生きていく。
自然物である人はそうして生きていくしかない。
それはほんとうに仕方ないこと。
だけどそれは何か罰のようなものではない。
そうすることで自由に生きていけるし、人それぞれに幸せを感じることができる。
人は死ぬ、それは仕方ないことだけど何もマイナスなことではない。
人が死ぬのは自然なことだけどそれまでは元気にひたすらに生きていくことで幸せを感じる日々を過ごすことができる。

だけどさまざまな産業が自然と決別したような商品やサービスを人びとに提供している。
人はどこでまちがえて自然に沿わない道を選んでしまったのだろうか。
最新医療はもっとも自然から遠ざかってしまった産業のひとつかもしれない。
医療が辿り着こうとしている場所は自然から遠く離れた死の無いところだから。

はたして医療ではいったい何を治しているのだろうか。
人を診ているのであろうか。
それとも病気を診ているのだろうか。
これまで手の施しようがなかった病気への技術開発もまたすさまじい。
医療が発展するのは喜ばしいことなのだろう。

最新医療を必要とする人びとはたしかにいる。
それはだれも否定しない。
しかしどういうわけか最新医療を必要としない人びとの存在は否定されている。

命を救うのと人を救うのとは似て非なるものではないか。
医者は病気を診るのではなくもっと人を診てもいいのではないか。
人を診てくれる医者は少数派になっているような気がする。
命が無くなるのを防いでもらったけど、そのいっぽうで元気を無くした人がいる。
たとえば元気を無くして10年生きながらえるのと元気を保って1年だけ生きるのと、どちらがいいかは人それぞれだろう。
「病気を治す」のではなく「病気によって元気を無くした人を治す」ことを考えれば治療もちがったものになるように思う。

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