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島根県雲南市に移住した古谷日菜子さんのLOCAL MATCH STORY 〜1年の準備期間を経て、移住。子育てと仕事を楽しむ田舎暮らしとは〜

移住を経験し、地域で活躍されている人を紹介する「LOCAL MATCH STORY」。
今回は、島根県雲南市に移住された古谷日菜子さんをご紹介します。そして、この記事は古谷さんご本人に執筆いただきました。

私の自己紹介

古谷 日菜子

島根県松江市出身
大学在学中に結婚・双子出産を経験。
卒業後は子育てしながらフルタイムで働くワーキングマザーとして奮闘。
2019年に島根県雲南市に家族で移住。
移住後1か月で第3子を出産し、現在はフリーランスの在宅ワーカー。
株式会社LIFULL 地方創生推進部FaMグループ雲南メンバー、雲南市移住定住サイト『ほっこり雲南』で市民ライターとしても活動中。

私が移住した地域はこんなところ

島根県雲南市は、島根県東部にある人口約3万8千人のまちです。
神話の舞台としても知られ、市内を流れる斐伊川沿いには『日本のさくら100名所選』にも選ばれた斐伊川堤防桜並木があり、春には多くの花見客でにぎわいます。
立地は県都松江市と出雲大社で有名な出雲市に隣接しており、田舎暮らしをしながら市街地へもすぐ行ける、『ちょうどいいまち』と言えます。

雲南市 桜

写真:雲南市の桜

なぜ移住しようと考えたのか

双子出産後は日々の生活に追われ、なかなか暮らしを楽しむ余裕を持てずにいた中、住み慣れた地元で子育てし、時間や心に余裕をもって生活したいという思いが強くなりました。
母が先に移住していた雲南市に帰省した際、子供たちが自然を目いっぱい楽しみ、のびのびと遊ぶ姿や表情を見て田舎暮らしを考えるようになりました。

移住するまでこんなことありました

移住するにあたって一番大変だった…というか時間がかかったのは、家族の説得でした。田舎暮らしの経験が無い夫にとっては、今住んでいる地を離れ、わざわざ田舎に移り住むメリットは無いという意見で、地元で子育てしたいと思いつつ行動に移せない期間が約5年ありました。
そんなときに、広島市内で開催された『しまねU・Iターンフェア』の存在を知り、「野菜とお米が無料でもらえるから」となんとか夫についてきてもらうことに成功。
初めは移住先には出身地である松江市を、と考えていましたが、イベントで雲南市の定住企画員さんのお話を聞き、子育て支援・移住者支援制度が充実している点にも魅力を感じ、雲南暮らしを具体的にイメージするようになりました。
イベント参加から移住までは約1年間でしたが、その間に何度も定住企画員さんと連絡を取り合い、住まい探しや職探しのための情報交換を続けました。
中でも、雲南市の企画する『移住体験プログラム』への参加はとても良い経験になりました。家族で地元の民宿に泊まり、地元のスーパーや保育園、小学校の見学をしましたが、実際に地元の方のお話を聞き、環境をみてまわれたことで移住後の生活もイメージできるようになったため、移住検討中の方で移住先にこういった体験ができる環境があれば、ぜひ参加をおすすめします。
また、我が家では移住までの期間を準備期間と呼んでいますが、この期間は住環境を整えるだけでなく家族ひとりひとりが移住を自分ごととして考え、覚悟を決める期間としても、なくてはならない時間だったと感じています。
夫も、帰省先で見せる子供たちの、のびのびと遊びまわる様子を見て少しずつ移住へ前向きになっていったと話していました。(私の並々ならぬ圧に押されたとも…)

双子と桜

写真:元気に駆け回る双子と、雲南市の桜

移住後のライフスタイル

移住してすぐは、末っ子と家で、こども園に通う双子の姉たちの帰宅を待つ生活を送っていましたが、移住前から時間や場所を選ばない在宅ワークという働き方に魅力を感じていたため、この期間に情報収集して、子供を家で見ながら少しずつ仕事を始めました。
移住して1年経ち、双子は小学校、末っ子は保育園に入り、少し時間に余裕が出来てからはさらにキャリアアップを目指してフリーランスでさまざまなお仕事に挑戦させていただいています。

■家で仕事をする日のタイムスケジュール

〈6:30〉
起床
朝食準備・支度など
〈7:30〉
小学生見送り、そのまま保育園送迎(夫と交代で行ける方が担当)
家事などが早く終われば、ひと息つく時間
〈9:00~16:00〉
仕事
就業時間は決まっていませんが、おおまかにこの時間を意識しています。
途中で小学生組が帰宅してにぎやかになります。
余裕があれば夕食準備をすることも。
〈17:00〉
小学生組をスポ少へ送迎、末っ子お迎え(夫と交代で行ける方が担当)
〈19:00~22:00〉
小学生組帰宅・夕食~就寝
〈22:00~〉
夫帰宅。就寝まではお互い好きなことをして過ごします。

移住して、子供たちはスポ少に入りバスケットを始めました。
夫も中学生のクラブチームに指導者として関わらせていただくことになり、基本的には3人のバスケプレイヤーの予定を中心に生活がまわっていますが、今の働き方をしているおかげで、送迎や応援など家族をサポートできる環境が整っていると感じています。

自宅からの朝日

写真:自宅からの朝日

移住してわかった地方暮らしの魅力

移住前、地域の方との交流はあまりありませんでしたが、移住してすぐに近所の方から採れたて野菜のおすそ分けをもらったり、声もかけてもらえるようになり、孤独感を感じることはありませんでした。
子供たちもこども園や小学校で田植えや稲刈り、芋ほりなど季節ごとのイベントを通して地域の方と日常的に交流させてもらっています。
地方暮らしでは、人と人との関係が密な分情報が広がっていきやすいと感じますが、私はこのことをデメリットとして感じたことは無く、やりたいことや目標を積極的に発信すれば、人と人とのご縁で夢が叶う、チャレンジしやすい場所だと感じています。

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移住先での住まいについて

田舎暮らしを始めるといっても虫や庭の管理に不安があったため、古民家ではなく市や県の運営する公営住宅を中心に家探しをしました。
現在の住まいは賃貸の一戸建てですが、家賃も移住前より安くなり、家の隣が空き地になっているため駐車場にも困りません。家の前の川には蛍も出て、夏は川遊びやバーベキューに花火も出来、部屋から見える自然の景色には癒される日々です。
気に入る物件になかなか出会えず焦ることもありましたが、土壇場で出会った今の住まいには運命を感じています。(笑)

移住先でのお金事情について

移住後に高くなったのは、車の維持費・ガソリン代・灯油代です。
移住前は普通車を1台所有していましたが、通勤のために移住後に軽自動車を追加で1台購入しました。以前は週末しか運転することはありませんでしたが、今は毎日通勤・送迎で使用するのでガソリン代が高くなりました。
雲南市は積雪量が多く、灯油ストーブが必須です。焼き芋を焼いたり、おでんを仕込んだりと利点もありますが灯油代もかさみました。
逆に安くなったのは、食費と家賃です。増えた支出分くらいは安くなったため結果的に収支に大きな変化はありませんでした。

移住先での暮らしで困ったこと

私の住む雲南市は近隣のまちよりも雪が多いと言われています。
毎年冬になると車に雪かき用のスコップを常備し、足元は防寒重視の長靴が必須になります。その積雪量は昨年だと地面から4~50センチほど。車を動かすために毎朝早起きしての雪かきが日課になりましたが、重労働で大変でした。
まだ慣れない雲南の雪ですが、雪のための渋滞や交通規制を予測して早めに家を出るようになり、時間管理は以前より出来るようになったかもしれません。

イノシシの足跡

写真:イノシシの足跡

移住後の活動内容について

平日は子供たちや近くに住む両親の予定に付き添うことも多く、なかなかフルタイム勤務は難しいと考えていましたが、その一方でスキルアップやキャリアアップを目指したい思いもあり、やりたいことと出来ることのギャップに悩むこともありました。
そこで場所や時間にしばられない働き方なら、自分次第でやりたいことが達成できるのではないかと考え、今はフリーランスの在宅ワーカーというかたちで、企業から業務委託を受けてお仕事をしたり、雲南市の移住定住ポータルサイトの市民ライターとしても活動しています。

現在の活動を始めようと思ったわけ

私の場合は地元の近くに移住するJターンだったので、移住後の暮らしで事業や新たな活動を始めるという明確な目標はありませんでした。
ただ3人の娘たちは6歳差で日々の生活スケジュールも異なるため、それぞれの予定にあわせて動ける働き方をしたいという思いがありました。
そんな時に雲南市の企画する子育てママのワークショップに参加したことがきっかけで沢山のご縁がつながり、今こうして活動が出来ています。

現在の活動を始めるまでにやったこと

家で小さな子供を見ながらだったため、インターネットでの情報収集が主でしたが、子連れで参加できるワークショップに参加した際には、自分の興味のあることを積極的に周りに発信していくことを意識していました。

今後のプラン

現在は株式会社LIFULL 地方創生推進部FaMグループの地方メンバーとして、在宅と子連れオフィスでの勤務を兼ね合わせた働き方をしています。
今後は、自分が毎日を楽しむことはもちろん、ひとりでも多くのお母さんが子育てと仕事を楽しみながら両立できるようサポートしていきたいと考えています。

地方で活動して分かった面白さ、やりがい

2021年1月にオープンしたばかりの子連れオフィスには5人の働くお母さんがいますが、それぞれが前向きに仕事に取り組んでいて、刺激をもらっています。
またオープン時に地元メディアで取り上げられた際は、次の日には近所の方から「見たよ!頑張ってるね。」と声をかけていただきました。地方だからこそ、みなさん地元の新しい取り組みを身近に感じておられるようです。最初はその反響の多さに驚きましたが、地域の方の声が届きやすい、反応が見えやすい環境で働けることがやる気に繋がり、やりがいを感じています。

移住検討している方へメッセージ

移住する前は期待が大きく、移住後に想像と違った…と落ち込むこともあるかもしれません。ただ移住して環境を変えたからと言って全てが変わるわけではないので、その変化も楽しむくらいの覚悟をもって移住を検討することをおすすめします!

(終わり) 執筆時期:2021年4月

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