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グロースフェーズでのデザイナーのあり方

こんにちは。LIFULL HOME'Sにおいて賃貸領域のUIデザインをしている、ぼこと申します。最近では主に「今よりぴったりの部屋が見つかる」という機能のグロースチームでUIデザインを担当しています。
自分の中で、グロースフェーズでデザイナーはどんな働き方をするのが理想なのか、あまりイメージがついていなかったのですが、私の働き方を紹介することで同じ悩みを持つ方の参考になればと思い筆をとらせていただきました✏️

「今よりぴったりの部屋が見つかる」とは?

LIFULL HOME'Sの中にある、今住んでいる部屋に悩みや不満を抱えているユーザーが、今の不満を解消し、より良い部屋をスムーズに探せるように考えてつくった機能です。現在は「叶えたい条件で探す」と「今の部屋を基準に探す」の2つの検索方法を提供しています。
👉 https://www.homes.co.jp/chintai/imayori/

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グロースチームについて

これらの機能は時期を分けて2020年12月と2021年3月にリリースされたものでしたが、さらに使いやすいサービスを目指すため、2021年4月からグロースを目的としたチームが発足されました。グロースチームは企画職2人、エンジニア4人、デザイナー1人のメンバーで、スクラム方式で開発を進め、毎日の朝会で各自のタスクの確認を行いながら、2週間のスプリントを繰り返し行い開発を進めました。
このチームで特徴的だったのは以下の2点です。

定期的にユーザビリティテストに取り組む

ユーザビリティテスト(以下UT)を定期的に実施することで、ユーザーの声を取り込みながら改善を行いました。
UTから課題の発見→課題の改善施策→UT→課題が改善しているかの検証と他の課題の発見・・・というようなサイクルを回していました。

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また、UTの回数が増えUXリサーチ部署への負担が膨らんでいたため、自分たちでUTを行うこともありました。UTの目的設定からタスク設計、実際のUTでのインタビュー実施、その後の結果の分析まで、UXリサーチャーの協力を得ながら行うこともありました。ユーザビリティ課題を洗い出すようなUTは 他のUXリサーチに比べて比較的難易度が低いので、チーム全体で手法を勉強して自分たちで取り組むというのも一つの手段だと思います。
メンバー全員がUTの領域に積極的に踏み入れることで、サービスのユーザビリティ課題について解像度高く認識することができたと思っています。

三職種上流から携わることをめざす

LIFULLではよりスピーディな価値創出を目指すために、企画・エンジニア・デザイナーの三職種が上流から施策に関わることを目指しています。特にこのチームには「上流から携わりたい」という意思を強く持っているメンバーが集まっていました。
そのため、前述のUTも三職種が関わる形で進めておりましたし、ユーザビリティ課題について全員がブレなく認識していたので、フロントエンドエンジニアが自発的にモックを作ってくれてすぐリリース、など、かなり速いスピードで施策を回すことができました。
同じチームのエンジニアが三職種上流について記事を書いているので、よければこちらも読んでみてください。
👉 3職種上流でスクラムを戦った話 - LIFULL Creators Blog

そんなグロースチームの中で、デザイナーは?

これまでのデザイナーは、企画職が作った仕様書を渡され、そこからUIのデザインを作る形で施策に携わっていました。ですがその形ですと、それは本当に課題なのか、もっと良い課題の解決方法があるのではないか、などコミュニケーションを取ることに時間がかかったり、手戻りが発生することもありました。
UTにデザイナーも参加すること・三職種上流を目指すことによって、自然とデザイナーも課題の探索・要件の定義段階から参加できるようになり、よりユーザー目線で施策を考えていくことができるようになりました。

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また、課題の探索・解決策の検討段階にデザイナーがいることで議論の可視化がしやすくなったとも思います。「こんな施策はどうだろう?」という議論を実際に画面共有してデザインを編集しながら見せることによって、より全員の認識が揃いやすくなったと思います。
そして、デザイナーはいろいろな方向性を可視化できることも強みだと思っています。施策の方向性を網羅的に検討し、実際に見える形でパターンとしてチームに提示することで、最良の選択肢を選ぶことができるようになります。

悩ましく感じたこと

ここまで書くととても順調に進んだかのように見えますが、いくつか悩ましいことももちろんありました。

誰がどこまで決めるのか?

三職種が上流から関わると、誰がどこまで担当するべきかわからず 都度全員の合意をとって時間がかかってしまうリスクも孕んでいます。私たちのチームではキックオフ時に「ドラッガー風エクササイズ」を行い、自分がやりたいと思っていることと、お互いの期待値をすり合わせました。
また、最終決定者が明確になっていたのも私たちのチームが惑わなかった要因だったと思っています。このチームでは施策ごとに担当の企画職を決めていたので、チーム内で意見が割れた時もスムーズに方向を決めることができました。

チーム内で判断軸を決めておく

よく言われることですが、UTなどでユーザーの声に耳を傾けすぎるとだんだんと最初に作ろうとしていたものから離れていってしまうことがあります。早いスピードで細かく施策をリリースしていると特にそのようなことが起こりがちなので、定期的にサイトがコンセプトに沿ったものになっているか確認する時間を設けたり、UTでの好意的な意見も「これはコンセプトが正しく伝わった上で価値と感じているのか?」と深堀りすべきだと感じました。

まとめ

グロースチームでは特に、課題を見つけ改善するというサイクルを素早く回していく必要があります。そのために、チーム全員が施策の上流から参加する三職種上流という形や、ユーザビリティ課題を確実に見つけるUTを行うことが大切だと感じました。そのようなチームの動き方の中で、デザイナーはチームの議論を加速できる存在であると思います。今後はより、UIにとどまらずユーザーへの価値全体を俯瞰して作っていけるデザイナーになっていけたら、と思いました。

LIFULLでは、このようなグロースを担当しているデザイナーだけでなく、新規サービスの立ち上げに携わるデザイナー、ブランドデザイン・コミュニケーションデザインを実践しているデザイナーなど、多様な働き方をしているデザイナーが所属しています。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひまずはカジュアル面談からでもお話できると嬉しいです!

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クリエイティブ本部 デザイン部 サービスデザイン1グループ
ぼこ
筑波大学芸術専門学群 卒業後、2017年 LIFULLに新卒入社。LIFULLのブランドデザインを経て、現在はLIFULL HOME'S 賃貸領域のUIデザインを担当している。(2021年10月現在)

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