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業界知識ゼロなデザイナーが企画立案からサービス改善に挑戦してみた話

こんにちは!LIFULL HOME’Sアプリのデザインを担当している矢野です🍙
まだまだうだるような暑さが続いていますね...みなさん熱中症には何卒お気をつけください!

さて、そんな暑さのなか今回は、不動産知識&物件探し経験ほぼゼロの中途入社1年目デザイナーな私が、企画立案から取り組んだ施策についてご紹介したいと思います。


導線を増やす小さな改修

企画した施策は、LIFULL HOME’Sの目玉機能である洪水ハザードマップを表示するための導線を増やすというものです。
目新しい新機能や派手なデザイン改修を行ったわけではない、シンプルな施策なのですが、メイン指標において127%改善という大幅な目標達成に成功しました👏

初心者目線でサービスを見つめてみて気づいたこと

冒頭で少し触れましたが、私は引っ越し当事者になった経験がありません。それに不動産知識もほぼゼロです。不動産情報を取り扱うLIFULLによく入社できたなぁと思います 。
直近あった実家の物件選びは両親の希望優先で、私のリクエストは極々控えめ…自室があって、愛する柴犬が不自由なく暮らせる広さのリビング、駅から多少遠くてもバスが通っていて、徒歩圏内にコンビニは欲しいなぁできればセブンで...今振り返ってみれば全く控えめでなく、欲にまみれた条件を無邪気に出していました。これまでの日常生活で得ていた、物件選びにおける避けたい条件は、山の近くに住むこと(自転車で帰るのが大変だから)くらいです。

そんな私がLIFULL HOME’S アプリに対してできること。それは物件選びの初心者目線でサービスに向き合ってみることでした。アプリを触りつつ、定量・定性調査の結果を見ながら、知らなかった物件探し界の常識に驚く日々が続いて数ヶ月。
次に引っ越すならこんな物件がいいなと、初心者なりに条件が固まってきた頃、洪水ハザードマップを確認できる導線が少ないことが気になってきました。

LIFULL HOME’Sの物件の地図検索機能で、洪水ハザードマップを表示できることをご存知でしょうか?
想定降雨量で河川がはん濫した場合に、浸水が想定される区域をシミュレーションしたもので、住まい探しの段階から、物件エリアにおける洪水リスクを知ることができるように作られました。リスクの度合いを表すヒートマップはバリアフリー対応がされていて、全ての人に的確に伝わるよう設計されています。

さらにアプリでは、地図上を指でなぞって検索範囲を指定できる"なぞって検索"とかけ合わさり、希望のエリアにこだわりながら洪水リスクを確認できるというちょっぴりリッチな機能となっています。

まさに、LIFULL HOME’Sが掲げる、「一人ひとりに寄り添い、スムーズな住まい探しを叶える」を体現する機能です。
初めて触った時、こんなにも便利な機能があるのか!と感動すると同時に、自身の物件選びからは命に関わる大切な観点がすっぽり抜けていることに気付かされました。

ぜひ皆さんに使っていただきたい機能なのですが、なぜだか物件検索でなかなかお目にかかれない...

現状分析とプランニング

あらためて整理してみると、洪水ハザードマップ機能への導線は、かなり限定されたタイミング・箇所に設けられていることがわかりました。プランナーに相談しながら、各画面での利用率も分析してみましたが、多くのユーザーが通る導線とも少しずれているようです。(私自身も、接触タイミングを逃していました)


既存の画面では、洪水ハザードマップを表示させてから物件を探す設計になっていましたが、ユーザーが気になった物件の洪水リスクを調べられる流れを加えれば、ユーザーそれぞれの物件探しスタイルを変えることなく、より多くのユーザーが洪水リスクを知ることができるのではないだろうか🤔
そんなふうに、地図→ハザードマップの流れを生み出しやすいタイミングを分析し、地図の利用率が一番高い物件詳細画面に洪水ハザードマップヘの導線を配置して、既存の画面とABテストをすることにしました。

また、計測する指標も定めました。

【メイン指標】
・洪水ハザードマップを確認したユーザーの継続率
【サブ指標】
・一度洪水ハザードマップを表示したユーザーの、その後の洪水ハザードマップの利用率
・洪水ハザードマップから別の画面に遷移するまでの時間

※一例です

今回の施策では、洪水ハザードマップを認識するタイミングが増えたことで、ユーザーの行動がどのように変化するかを分析したいという思いがあったため、どれくらいの時間とどまり、どのような操作を行っていたかを追う指標を立てました。
CVRには一定ネガティブな反応があるかもしれない…という予想もあったのですが、チームメンバーに後押ししてもらい進めることができました!💪

指標の数値を大幅目標達成


結果、メイン指標にしていた数値を127%改善と大幅に目標達成することができました!合わせて、懸念していたCVRについては、なんと143%の改善がみられました!ほっ…
物件詳細画面で物件への興味が高まったタイミングで、安全に関する情報を受け取れるようになったことに新たなニーズが生まれたのかなと思います。

サブ指標にしていた、「一度洪水ハザードマップを表示したユーザーの、その後の洪水ハザードマップの利用率」についても良い傾向が見られたのですが、「地図から別の画面に遷移するまでの時間」は特に差は見られませんでした。一件ずつじっくり周囲の状況を確認するというよりは一度見て状況を確認し、次の物件ではサクッと確認しいてる程度なのかも…ここも利用シーンなど定性調査してみたいと思っています。

まとめ

今回ご紹介した「洪水ハザードマップの導線を増やす」施策は、自身がまだサービスに関する知識が浅いため、ユーザーのニーズに比較的近い感覚で認識できた、いわばビギナーズラックで見つけられた魅力でした。(もちろんそれを後押ししてくれる環境があったからこそです🙏)
これが年数を重ね、事業としての戦略や設計の裏側を知って作り手としての意識が高まるほど、サービスとの距離が近くなり、既にある魅力を見出しづらくなっていくのだと思います。ましてや知識ゼロの初心者目線でサービスを見るなんてハードルが高くなっていくに違いない…

だからこそ、新しい魅力作りを進めることと同じくらい、サービスから距離をおいて様々な視点で観察🔎&独自の魅力を再発掘し、ユーザーに適切に届けられているかを計測する取り組みを継続していきたいと感じました。

最後に

洪水ハザードマップがさらに確認しやすくなったLIFULL HOME’Sアプリを、ぜひ住み替え体験にご活用ください!

🔎  iOSアプリ紹介ページはこちら!
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クリエイティブ本部 デザイン部 サービスデザインユニット
サービスデザイン3グループ
矢野 絢香

BtoB系サービスのUI/UXデザイン経験を経て、2022年7月LIFULLに入社。現在LIFULL HOME'S iOSアプリのデザインを担当。(2023年8月時点)

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