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料理がうまくなるコツ

料理がうまいとは何か、定義は人それぞれでしょう。今回の内容は味や見た目が良くなる話ではありません。料理の日常力を高めるコツについて考えます。

日常力とは

良い言葉が思いつかなかったので、日常力と無理矢理表現しました。日常力とは何か、これは平たく言えば自炊する力です。
冷蔵庫の残り物で作る料理、予定の食材が高価だったので代替品で作る料理、市販のタレを自作して作る料理などなど。日常で行う料理は、レシピ通りにならない場合が多くあります。その時に工夫や応用を利かせて作る料理が、日常力の高い料理だとイメージして頂ければ十分です。

料理が下手な人

私の知り合いでは、①レシピ通りにしか料理ができない人や、②レシピ通りにすら料理ができない人がいました。

②の人はおそらく料理をすることに慣れていないので、テンパってしまったり間違えてしまったりすることが問題かと思います。丁寧に料理を作る練習を重ねましょう。問題は①の人です。

一見、レシピ通りに作ればそれなりに食べられる料理が作れる人は問題ないように思いますが、それが通用するのは実家暮らしなどで、たまに料理をする人だけです。
大学進学や就職などで、将来的に日々の自炊が必要になる場合は改善することをオススメします。
まず、自炊は継続することでメリットが大きくなりますが、たまに自炊する程度では、食材が使い切るまでに腐るなど、自炊のメリットを感じにくいものです。ただ、外食だけでは金銭的や健康的な問題に繋がります。

レシピ通りしか作れない人の問題点を考えると、「分量を変えたときにどうしていいかわからない」や、「材料を変えた場合のレシピがわからない」といった、答えを探そうとする心理があるように思いました。この場合の解決方法は簡単です。3段階で克服していきます。

レシピを理解する

まず、レシピ通りに料理を作る人にある落とし穴は、レシピを見ていないことです。レシピを見て料理を作っているのに、レシピを見ていないとは哲学です。そう、料理は哲学。
レシピという言葉には秘訣という意味もあります、それは単なる作り方ではないと言うことです。

必要なことは、手順や材料について理解すること。
生姜焼きのレシピで例えましょう。

ざっくり手順を書くと、肉に小麦粉を付けて、フライパンで焼けたらタレと合わせると完成!
ですが、美味しいね、で終われば上達はしません。
何がおいしさの秘訣か考えてみて下さい。

お肉に小麦粉をまぶすとどうなるのか?
タレになぜ砂糖を入れるのか?
焼き目がつく前にタレを絡めるとダメなのか?

ひとつひとつの手間や食材に着目してみて下さい。気になるものがあれば調べて下さい。できるなら、自分で試してください。
お肉が2枚あれば、片方には小麦粉をまぶさず焼いてみて下さい。タレを作る時は砂糖のありとなしとで比べてみて下さい。
それぞれの意味がなんとなくわかってくると思います。こうやって、レシピを理解する努力をすることで少しずつ、自分なりの応用ができるようになるはずです。

味を覚える

みなさんは、ナポリタンに入っている食材がわかりますか?
タマネギ、ピーマン、ウインナー、マッシュルーム、オリーブオイル、ニンニク、ケチャップ、塩胡椒。
だいたいこんなところですね。
では、食べるときにそれぞれの味がわかるでしょうか。次のステップはここが肝です。これから食事をする際は毎回、使われている食材を当ててみて下さい。
ナポリタンを例にした理由は、作る人それぞれで使う材料が違うからです。

オリーブオイルでなくサラダ油を使うこともある
バターを入れることもある
パセリやバジルが入っていることもある
コンソメが入っていることもある
ウインナーの代わりにハムを使うこともある

ん〜、実におもしろい(福山雅治)
ナポリタンは本当に個性が出ます。
この、食材の味を覚える練習で食材同士のバランスまでわかるようになります。そうすれば、レシピを見なくても自ずと料理が作れるようになってくるのです。すなわち、冷蔵庫の残り物を使った料理ができるようになってくると言うことですね。

味覚で食材を当てる行為は、脳科学的にとても良いことだと、茂木健一郎さんが本に書いていました。脳に良いと言うだけでやる価値がありそうですが、素直に食への楽しみが増します。おすすめです。

私の経験をひとつ、
東京都千代田区の永田町に天丼の美味しい金子屋というお店があります。ここの天丼はとても美味しいのですが、驚いたのはお味噌汁。
そのお味噌汁は、水面に鮮やかな緑色の葉物野菜が丁寧に細かく刻まれ、散りばめられています。
鮮やかな緑色があるお味噌汁も珍しいなと思いますが、飲んでみると上品な香りと爽やかな味わい。
ミツバでした。お吸い物にはミツバというイメージですが、お味噌汁にも合う。さらに、油濃く味の濃い天丼とはとても相性がよく、食べ合わせの絶妙さに感動しました。
そこから、私も自炊する時はたまにミツバを使うようになりました。チャーハンにも合うし、肉にも合う、和風のスープならなんでも合うミツバの存在は私の料理の幅を広げてくれます。
味を覚えていくことは、料理がうまくなるに直結すると思います。

ハカリを捨てる

最後のステップはハカリを捨てるです。物理的に捨てる必要はありません。レシピにある大さじ、小さじ、40g、100mlなど、全て目分量で入れましょう。
今までのステップである程度練習ができていれば、感覚的にどのくらいの調味料や食材を入れれば良いかがわかってきます。もし味が薄い、濃いなど失敗した場合はフィードバックしましょう。その失敗は醤油を入れ過ぎ?塩を入れ過ぎ?どうでしょう。

これを繰り返すことで、分量に合わせた料理の感覚を掴めます。
牛細切れ200gのレシピをみて、豚細切れ120gパックを使い、一人分の料理ができるようになります。
そして、感覚が鍛えられてくればいつのまにか、それが家庭の味になっているのです。


余談です、どうやら滝沢カレンさんの料理本が人気のようですね。少し聞きかじると、表現が面白いのだとか。

まずリーダーとして先に流れるのは、お醤油を全員に気づかれるくらいの量

にんにくと生姜は
アクセサリーを付けるくらいの気持ちで。

鶏肉たちを一旦取り出して、
懲りずにもう一回油に沈めましょう。

試し読みをしてみるとこんな感じでした。
これは、唐揚げのレシピです。
ここまで感覚で作れる滝沢カレンさんの料理はきっと美味しいでしょうね笑
これを見て、味が再現できるかどうかは怪しいですが、唐揚げにもリーダーがいるんだなと料理の新しい価値観を知りました。
おもしろい。

日常力が上がると食が楽しい

こうして、ステップを続けていくと日常力がぐんぐん高まることを感じられると思います。自炊を続けることで、好みの味や新しい味にで合うこともできます。とくに、外食した時に食べた料理を脳内分析し、家で再現してみるなどすれば、料理の楽しさにも気づくと思います。

例えば、フランス料理などは、メニューの時点ですでに美味さが滲み出ていたりします。

牛ハラミ肉のロースト アスパラとライムを添えて

イメージだけで再現してみてもいいですし、名前に面白さを見出せれば、たまには鶏肉のガーリックソテー もやしとレモンを添えて など着飾った料理を作ってみるのも一興です。これはニンニクレモン焼鳥なのでただのB級料理なんですけど、仕上がりの満足感はすごいですよ。

食事は、すべての動物が行う生命維持行為です。ここに楽しみを見つけられれば、人生の豊かさは遥かに高くなると私は思います。

最後に、レシピ通りにしか作れない人、特に若者がそうなる理由には生活環境が大きく関わっていると思います。子供の頃からインターネット環境があり、調べればすぐ答えが見つかる。そういう環境では、まず答えを調べることや、より正しい答えを探そうとする行動も理解できます。つまり、料理の分量が変われば、その分量でのレシピを探すという心理ですね。

そういう子供の頃からインターネットに触れて育った、いわゆるデジタルネイティブの人には、マニュアル人間指示待ち人間のようなレッテルが貼られることもしばしばあるようです。しかしそれは、アナログ人間がそう呼んでいるだけだと思うのです。
アナログ人間にも指示待ち人間は当然います。
マニュアル人間でも、周りの人が正しく物事を理解できるよう育成すれば料理だってできるし、自律した人間になれます。

私のような半アナログ人間は、そんなデジタルネイティブの方が持つポテンシャルの高さに、羨ましさを感じつつ、できるだけ伸び伸びと育みたいなと思うのでした。

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