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自分が本当にリラックスした状態を感じたことはありますか

先日、タイで元ムエタイ選手とスパーリングした時の体験談についての記事を書きました。

ここでは、相手の「脱力感」のものすごさと、脱力しているということがいかにハイパフォーマンスに大きな影響を与えるのか、について書きました。

とはいえ、「リラックスすることが大切」といえども、自分の身体が緩んでいる状態がそもそも分からない人の方が現代人は多いのではないでしょうか。

(はい、それは過去の私です)

私が特に身体感覚という側面で大きな影響を受けた方がいます。

その方は経営者やリーダー向けにカスタマイズされた武道を指導されている方なのですが、直接指導していただいていた、ある稽古のときのことです。

道場で「構え」を行い、「力を抜いて」と言われました。

自分なりに力を抜いて立っていたのですが師がすぐ側にきて「力が入っているな」と一言。

そして、背中をとんとんと叩き、「もっと落して」と言われました。

私は、それ以上背中を落すと後ろによろけるのではないかと思い、恐れの感覚や躊躇が湧いたのですが、実際にやってみると自分の思っていたよりも何段階も落すことができました。

どうやら、そこの背中の位置が本当に力が抜けたときの定位置だったようです。

自分の思っていたところとの落差にとても驚きました。

その後、何度か体感することを通じて、脱力の定位置に自力でもいけるようになっていきました。

昨日、「カラダに意識と思考をリードしてもらう」という記事を書きましたが、

このテーマにも前提があります。それは、「心身に通じている方に導いてもらうことを通じて、心と体の関係への知性を高める」ということ。

言い換えれば、導いてくれる人との出会いが大切ということ。

あらゆることに言えてしまうと思いますが、自身の客観視は自分だけでは無理。

もちろんメタ認知力を高めていくことはできますが、適切な見立て及びそれに基づく実践という初速をつくれることが重要です。

だからこそ、自分の求めていることに合った人を探しましょう(当たり前ですね 汗)

ちなみに、「競争に勝ちたい」場合、よくあるケースはその目標のために心と体を最適化していくこと。そこでは心や体に対するある種の無理が強いられることになり、抑圧されるものが育まれていくという弊害もありますが、重要なことは勝つことですので、気持ちも悲鳴を上げる体の声も重要ではありません。
(これは、売上至上主義だけの会社において起こることに似ています)

物事には陰陽がありますので、一概にこの傾向が悪い、とは言えませんが、勝つということについて興味深い話を武道の師から聴きました。

それは、腕力(筋力)だけに頼っていると日本トップまではいけるが、世界では闘えない。世界で活躍できる人は体幹・丹田や重力・脱力の力を活用できているというものでした。(ワールドカップ日本代表を盛り上げ続けてくれた長友選手のトレーナーが以前、体幹にまつわる書籍を出されたことを知っていますでしょうか)

このことを考えると、実は目標を勝つことに置いたとしても、少なくともルートは2つあると思えます。

1つは、先の述べた古き日本のスポ根漫画のような腕力だけに頼るようなスタイル。

もう1つは、日本古来の武道に込められているような身体の本質を活かし、潜在能力の発揮を促進していくスタイル。

私たちは格闘技にしてもスポーツにしても身近な例(テレビだったり、身近に接するプレーヤー)においては前者のスタイルに触れる機会の方が圧倒的に多いように思います。

そのため、前者のようなスタイルしかないと思い込んでいるのではないでしょうか。

一方で、後者の道もあるのです。

これは、格闘技やスポーツの話をしているようですが、ビジネスシーンにおいても同じことが言えそうです。

結果を出すための2つのスタイル。どちらの方が身近でしょうか。

私は色んなシーンにおいて後者の方が後に続くものにいい影響を残せるという意味での善循環が生まれると思っているため、もっと知られて欲しい、体感する人が増えて欲しい、そう思っています。


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