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地域通貨は人の変容を促進するツールでもある!?

はじめに

2018年1月頃にお金の歴史について勉強した時に、私たちは既存の経済システムから様々な恩恵を受け取っている一方で、体感覚と切り離された数字に浸っており、そして、それに気づくことができない状態にある、と思えました。

これは言い換えると、デジタル化という方向だけに極端に発達しているアンバランスな状態と捉えました。

では、何を相対の極として発達させることができればバランスがとれる状態になるのでしょうか?

そんな問いから、対話を通じて見出したキーワードがフィジカル化でした。(これは言い換えれば、数字の相対に触覚を置いたといえます)

当時の私はこの偏りに課題感を持ち、既存の経済成長がデジタル化に偏っているならば、私はフィジカル化のベクトルを強化しよう!(そのための具体的な取り組みとして身体性を取り戻そう!)と思ったのです。

本質としてはデジタルもフィジカルも分かれていないものとして、その場所から発想・行動できることが望ましいと思っていますが、そのためのまず最初のステップとしてフィジカル化にフォーカスすることが大事だと思いました。

当時は、地元(東北地方)に滞在していたのですが、ある時、友人に誘われて行ったイベントが「地域ツアーを考えるとしたら?」というもので、飛び入りで参加しました。また、締め切りは過ぎていましたがせっかくなので事前課題の企画書づくりをしてみました。

そのプロセスで生まれたのが「感動関係資本」という言葉でした。これはどんな意味なのか当時のメモをそのまま載せます。

感動とは、5感が動くこと。つまり感動関係とは感動でつながる関係のことです。そのまんまですね。笑。

田舎のおじいちゃんおばあちゃんとの関わり、大自然を観たこと。こどもの遊ぶ姿を見たこと、などなど、何かグッと来ませんか?「言葉にならない〜」ってやつです。

この言葉にならない何かを私は感動関係資本としたい。

そして、本当は感動関係資本が土台となって通常の資本である財・サービスが生まれていると信じたい。

この感動関係資本(感動を共有できた対象との関係性も含む)を増やすための体験(自然の中でのアクティビティや人との出会い)を積んでいくこと(地域の中にある自分にとってのそれらを発見すること)や、お金の本質について学んでいくことをテーマにしたリトリートプログラムの簡単な企画書ができあがりました。

その後、私にその気がなかったため、この企画を実現させることはありませんでした。

何が地域通貨を人の変容を促進するツールにしているのか?

それから数年が経ち、色んな地域通貨を実際に体験してみた時に、多くの場合において地域通貨自体が、既存のお金にまつわる観念や購買活動におけるサービス提供者とお客様という役割だけの関係からいい意味で離れて、そこで生まれている行為の本質に迫ることができる体験をもたらしてくれるツールなのだと思えました。

そして、だからこそ既存の貨幣システムの代替案になるというよりも、その人自身にとって、「お金との身体感覚を取り戻す」という変容を促進するツールとしての側面が大きいように思いました。

この地域通貨の持つ変容促進ツールとしての側面に気づいた時に、人が「なぜティール組織に惹かれるのか」「なぜ田舎暮らしに惹かれるのか」という思いの深層的な部分に、その人が「自身の全体性を取り戻したい」という欲求が隠れている、と感じたことを思い出しました。

※そのことについて書いた記事がこちら。

さまざまなフィールドで見て取れる潮流から現代日本において多くの人が人間関係にも経済活動にも「全体性を取り戻したい」んだなぁ、と思いました。(その取り組みを支えるのがマインドフルネスであり、身体感覚そのものであり、メタ認知力であり、ある種のコミュニティであり。)

言い換えれば、その人がその時点で必要としていた全体性が取り戻せたならば、その側面のツールとしての地域通貨は必要性がなくなるというのもあるかなと思うのです。

また、自身がお金との身体感覚を取り戻しさえすれば、既存の貨幣をつかうことで同時に感動関係資本を蓄積することができる、と気づきました。

さいごに

今回は、過去に書いたメモを見返していてふと思い立ち書いたものです。たまに「お金についての探究の旅路」というテーマで書いているのですが、振り返ってみると今回の記事はそのシリーズの1つに位置付けられるなぁと思いました。

もし自身のお金との関係について深めたいと思われている方は、そのシリーズを読んでいただけると何か気づきを得てもらえるかもしれません。

よければご覧ください♪

お金についての探究の旅路シリーズはこちら。

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