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ソースプリンシプル提唱者ピーターカーニックに学ぶシリーズ②〜お金の隠された役割に気づいた経緯とは?〜


はじめに

昨日は、ソースプリンシプル提唱者のピーターカーニックの公式サイトから、「お金の隠された役割」に関する記事を書きました。

今回は、このテーマに関連して、ピーター自身がお金に対してどのような問いを持ち、研究してきたことで、この隠された役割に気がつくことができたのか、について迫ってみたいと思います。

ピーターのお金の探究ストーリー

このパートでは、2023年の4月にピーターが初来日したことを記念し、開催されたイベント「ソースプリンシプル実践の夜明け」にてピーター自身が語ったことからの学びを紹介します。

ピーターのお金に対する関心は、貨幣システムの表面的なデザインだけではありませんでした。木や肝臓などの自然界にあるものとは異なり、お金は人間がつくり出したものであるからこそ「人間がどのようにお金に影響を与え、またお金がどのように人間に影響を与えることができるのか」を正確に理解できるのではないか?と考え、この問いについて7年かけてリサーチしたそうです。

その間、世界中をまわり、経済学者やファイナンシャルプランナーなど様々な専門家に聞いてまわったそうですが、その質問について考えた人がいなかったそうなんです。その結果によって、ピーターはよりこの答えを見つけたいという意欲が高まりました。

ピーターの調査の仕方は、人に集まってもらい、体験を通して発見していくというやり方で、何らかのエキスパートのグループ、エキスパートではないグループに集まってもらい、同じ質問に取り組んでもらいました。しかし、調べれば調べるほど疑問は大きくなっていきました。

そうしていった7年目にやっと探していた答えが見つかったそうです。それは、それまでの7年間の探究の中で尋ねたことがない質問をしたことから見つかりました。

その質問とは、とあるグループに向かって「お金とは何でしょうか?」というものでした。投げかけてから5分で約40種類の違う答えが参加者から出てきたそうです。そして、その答えはお金は自由、お金は牢獄、お金は安全、お金は不安をつくる、など矛盾しあうような答えでした。

そこからピーターは次の質問が浮かびました

「お金は、みんなが今言ってくれた答えが全部、同時に成り立つことが真実だとしたら、それは一体何なのか?どういう仕組みでそうなったのか?」


そこで生まれた考えはこちらです。

「お金とは、私たちがお金とはこんなものだ、と思っているものではない。ところが、自分がお金に見出していることは、本当はお金はそれではないと気づかず、そのように思ったままでいると、私たちの人生にそれなりの影響を及ぼす

合わせて、ピーターは自身が住んでいるスイスのチューリッヒにはユングのセンターがあることを思い出しました。(ユングは投影と呼ばれる考え方についてたくさんの研究をした人でもありました。)そして、お金の機能の仕方は、私たち1人1人の投影によってその投影に即した機能の仕方をしているのではないか、と思ったのです。

そして、こういった前提があるからこそ、自分のお金は銀行にあるのではなく、コンピューターの中で情報として飛び回っているわけでもなく、自分の頭の中にしかない、とピーターは言っています。

また、このお金と投影についての着想がソースプリンシプルにまつわる書籍『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』で紹介されている「マネーワーク」へと繋がっていくのです。

さいごに

ここ数ヶ月で何度かアーティストの個展に行く機会がありました。その中で、以下のように思うようになりました。

・作品とは
「その人が絶え間なくその人にとっての世界と出会い続けているという営み」言い換えれば「その人がいつも見て聴いて感じている世界」を切り取った静止画のようなものであり、その世界を覗く窓のようなものでもある。

・個展とは
上記のような作品が並んでいるという意味で、その人だけが見て・聴いて・嗅いで・感じている世界を疑似体験できる舞台装置のようなもの

この話でいう「作品」と今回紹介したピーターがリサーチの参加者の方に「あなたにとってお金とは何ですか?」と聞いて出た約40種類のそれぞれの「答え」が似ているように思えて面白かったです。


追伸

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