見出し画像

対話のはじめ方〜③対話でよくある難しさ、どう乗り越える?〜

こんにちは!合同会社LifeStocksでコーチ・ワークショップファシリテーターをしている永井なつみです。

さて、今回のテーマは「対話のはじめ方〜③対話でよくある難しさ、どう乗り越える?〜」。前回の記事の続きです。


対話にはどんな難しさがあるでしょうか。何を難しいとするかは人それぞれあるかと思うのですが、私が今まで耳にしたものを参考にしながらいくつかご紹介します。

いざ話し始めたら起こること

準備もできて、さあいよいよ対話をスタート!と話し始めてみたら起こることがあります。例えば・・・

  • 声の大きい人が話し続ける

  • 勇気を出して声を出してみたら「それは違うのでは?」と指摘される

  • 「いい意見だね」など良い悪いが評価される

  • 役職者に遠慮してメンバーが声を出さない 

  • 参加姿勢が受け身 などなど

こういったこと自体は悪いことではないと思うのですが、思い描いていたような自由な意見の交わし合いができず、理想と現実とのギャップが起きている状況があなたやチーム全体にとって難しいと感じることがあるでしょう。

上記の例は、もしかしたら対話に限らず普段の会議のコミュニケーションのパターンとして出現するものかもしれません。会議の場では「あなた声が大きいです」や「役職者であるあなたに遠慮してます」なんてわざわざ言わないですし、言えないですよね。目の前のタスクの話に集中して、自分が役職者に遠慮しているということすら気づく機会もないかもしれません。

難しさに気づいた時にできること

難しさが起きていると感じた時、すぐにできることがあります。

それは前回お伝えした
◎前提は揃っているのか?
◎参加スタンスは揃っているのか?
について立ち戻り、確認することです。

経験上、対話の初期で起こる難しさのほとんどはこの2つの要素で解消されることが多いと感じます。

例えば、「参加者が受け身」について。なぜ受け身なのかはチームに聞いてみないと分かりませんが、もしかしたらなぜ自分たちがこの場にいるのか、何のために話すのか、何を話すのかが腹落ちしていないのかもしれません。「今この場が受け身のように感じられるんだけど、どうかな?」「もしかしたら納得していないことがある?」など問いかけ、改めて共通認識を作り直しましょう。

また、声の大きい人が話し続けたり、発言が評価判断されることについて。繰り返しますがこういったことそのものにいい悪いはありません。大事なのは「今この場でチームとして何を大切にしたいか」であり、それが実現できているのか・できていないのか、です。自分たちで定めた参加スタンスやグランドルールに添わない言動や雰囲気がある場合はそのことを皆で確認し、何があれば良いかを話し合うことで立て直しができます。

ただし、起きていること全てを一気に解消しようとすることはお勧めしません。難しさを全て無くすことを目的にすると参加者が萎縮してしまい、自由な雰囲気で意見を交わし合うことそのものが難しくなってしまうこともあるからです。

対話の終わりかた「で、この後どうするの?」

対話の準備に集中することで盲点になりやすいのが「対話の終わりかた」です。

いい感じに話せてみんな満足、いや〜普段忙しいしたまにはこんな時間も必要だよね。また明日から頑張ろう!お疲れさま。じゃあ解散!・・・ってあれ、この後どうすればいいんだっけ・・・??

対話の時間そのものが心や身体に沁みたり、チームメンバー同士が繋がりを感じられることで、翌日以降のチームの活力になることももちろんあります。議論であれば意思決定に基づいてアクションが決まり、それぞれの役割や業務に自然と繋がっていくのですが、対話の時間は「いい時間だったね」で終わることもままあります。日常業務に戻った時に何も活かされず、興奮が醒めると共にあの時感じたはずのチームの繋がりもいつの間にか失われる…ということも残念ながらあるのです。

対話は手段であり目的ではありません。対話によって手に入れたかったことが手に入ったか、対話を終える時に確認しましょう。そのためにも前回お伝えした「何のためにこの時間を持つのか」の共通認識を最初に揃えておくことが大切ですね。共通認識があることで、終了時点で皆で目的を果たせたのかどうかが確認できます。

そして対話で得られたことを日常にどう活かしていくのか、最後はディスカッションが必要なこともあります。今日この場で得られたことは何で、いつのどんな機会にどう活かしていくのか、何がネクストアクションなのか、参加者全員で合意しましょう。

最後に

頭では理解できたけど実際やるとなると難しい、そんな声が多いのも対話の特徴です。ですが安心してください。その難しさは慣れていないから難しい、ということがほとんどです。過去2回の記事でお伝えした内容も踏まえつつ対話の機会を積み重ねていくことで、少しずつ対話の筋肉がついていきます。

皆さんの職場での対話の時間が実りあるものとなることを祈っています。


以上で「対話のはじめ方」シリーズはいったん完了です。皆さんの日常の場面でお役に立てば嬉しいです。

・・・

弊社や弊社サービスに関しまして、ご相談やご不明点等がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?