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おせちピクニックと本物の凧揚げ

新年早々、ピクニックに出かけた。元旦に引き続き、晴れ上がった2日、「おせち詰めて、外で食べようか」と、恋人が言い出したのだ。

考えてみれば、おせちは、家の中で重箱に詰めたお弁当を食べるようなもの。蓋をして風呂敷で包めば、すぐにでかけられる。まさに、ピクニックのためのような料理だ。

元旦は、食事のたびに重箱と器を組み合わせて盛りつけていたので、ピクニックのために、あらためて重箱におせちを詰める。伊達巻は卵焼き、チーズ入り蒲鉾は、チーズちくわ、鶏団子はミートボール。お弁当のおかずの常連だ。細く巻いたキンパ(韓国海苔巻き)は、おせちに最高ということがわかったけど、ピクニックでは、ご飯役を果たしてもらう。お弁当の原型は、おせちなのかもしれない。お猪口に栗きんとんを入れて、みかんとお茶を持って、車に乗り込んだ。

河川敷の公園は、風こそ少しあったものの、遮るもののない日差しで暖かい。お正月に外で、しかも地面に座って、食事ができるということに、あらためて驚く。札幌ならほとんど罰ゲームみたいなものだし、場合によっては命に関わる。ここは、真冬にピクニックができるような土地なんだ、と嬉しくなるとともに、今この瞬間の札幌の真っ白な世界のことを思う。

空を見上げると凧がいくつも上がっている。ふふふ、お正月だもんね、と思うと同時に、お正月の凧揚げ風景なんて、実際には一度も見たことがないことに気づく。北海道では、お正月に凧をあげたりはしない。きっと、テレビに映るイメージを見て、そういうものだと思っていただけということなのだ。

はじめて見た本物の凧揚げは、自然と顔が上向きになって、確かに新しい年の始まりにふさわしい遊びだな、と思った。

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