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食雑記

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日々の食卓、食卓での会話、食材やレストラン、食に関する本や映画、イベントなど、食にまつわることだけ書く日記のような「食雑記」。節気毎に更新。
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2020年12月の記事一覧

ご近所おせち交換

今年は、ずいぶん久しぶりに実家の家族以外と過ごすお正月になった。一緒に暮らしたら、おせちをつくりたいね、と恋人が言っていて、楽しみと思う反面、相当大変だぞと思っていたら、意外な展開になった。彼が、ご近所の友人たちとおせちを交換しようと言い出したのだ。4家族が、それぞれ2品ずつ担当して他家族の分もつくって持ち寄るルール。言い出しっぺの私たちは、彼の母上からのことづてもあって、4品。栗きんとん、柿なます、鶏団子、鰤の照り焼き。大晦日の今日、14時に集まって交換することになった。

朝びき丸鶏のローストと世界のクリスマス

関西で驚くことは、朝びき鶏を扱う鶏肉屋が普通にあること。東京にいた頃は、ここぞという時には、築地にある老舗に行って買っていたけど、札幌ではそんなお店には出会わなかった。でも、こっちだと駅ビルの専門店街に入っている。 鶏肉はなにより新鮮さが一番だから「朝びき鶏が普通に買えるなんて!」と私が興奮したのをきっかけに、去年から、クリスマスには毎年丸鶏を焼こう、ということになった。とはいえ、今年はクリスマスイブに恋人がかかわるイベントがあるのに加えて、クリスマスのすぐあとが彼の誕生日

マナガツオの煮付け

先日、古い友人から悲しい知らせが入って暗い顔をしていたら、少しでも気持ちが晴れるようにと、恋人が小ぶりのマナガツオを買ってきてくれた。彼は、こういうささやかな贈り物がとても上手だ。マナガツオのかわいらしい顔に、少しだけ心がほぐれる。 マナガツオを料理するのも、食べるのも初めて。ちょっと調べてみて、醤油で煮付けにする。煮ても形は崩れず美しいけれど(最後にちょっと触ってしまって、額がはげたのはご愛嬌)、箸を入れると身はやわらかくきめ細かい。上品な魚だ。美味しいのはもっと大きいサ

大阪此花と「お好み」焼き

先日、恋人に誘われて、大阪の此花区を自転車でめぐる街歩きに参加した。ライターのスズキナオさんが、妹尾豊孝さんの写真集 「大阪環状線 海まわり」に写っている場所を、写真と見比べながらめぐりたい、とTwitterでつぶやいたことがきっかけで、実現することになったらしい。 そもそも大阪自体、よく知らない中での、此花。行きの電車でグーグルマップとウィキペディアで予習をする。伝法という古からの漁港があること、樽廻船発祥の地であるが、その後、新しい川が掘られたことで、港湾としての地位は