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朝びき丸鶏のローストと世界のクリスマス

関西で驚くことは、朝びき鶏を扱う鶏肉屋が普通にあること。東京にいた頃は、ここぞという時には、築地にある老舗に行って買っていたけど、札幌ではそんなお店には出会わなかった。でも、こっちだと駅ビルの専門店街に入っている。

鶏肉はなにより新鮮さが一番だから「朝びき鶏が普通に買えるなんて!」と私が興奮したのをきっかけに、去年から、クリスマスには毎年丸鶏を焼こう、ということになった。とはいえ、今年はクリスマスイブに恋人がかかわるイベントがあるのに加えて、クリスマスのすぐあとが彼の誕生日で、ご馳走が続くのも辛い年齢になってきたので、前の週末に焼くことになった。

去年はクスクスを詰めたけど、今年は彼が今年初めて食べて大好物になった、トルコのブルグル (ひきわり小麦)のスパイシーなピラフを詰めようということになる。それなら、いっそアラブ料理っぽくしてしまおうかと、塩レモン、シナモン、クミン、ジンジャー、ニンニクを鶏の表面に揉み込み、オーブンに入れる。

そうなると、鶏が焼けるあいだにかける音楽は、アラブのクリスマスソングということになる。アラブ諸国は主にイスラム教国だし、どうしてこういうものが存在しているのかわからなかったけど(あとで、ショッピングモールなどではかかるし、レバノンなどキリスト教徒が多い国もあることを知る)、定番クリスマスソングを、アラビア語、アラブ楽器、アラブリズムにアレンジして、完全に自分たちの音楽にしてしまっている。時折、クリスマスソングはどこいった?ってなるくらい、曲中の振り幅も広い。クリスマスソングという定点によって、彼らの音楽文化の豊かさが見えてくる。

焼きあがった丸鶏は、思ったよりスパイシーではなくて、意外と優しい味に仕上がる。丸鶏を焼くのは2回目だし、まだ丸鶏の特性とか量感がつかめない感じがあるけれど、これから毎年くり返し焼いていくうちに、きっと調味の具合とか焼き具合とか、わかるようになっていくんだろうか。そして、来年からは、毎年ひとつの国とか地域をテーマに決めて、クリスマスツリーを飾りつけて、丸鶏を焼いて、音楽を聴くとか、いいかもね、と来年の話で盛り上がる。これから、いくつの国を楽しめるかね、と。

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