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ライフリンク・メディア報道・2008年7月

ライフリンクは、自殺の実態調査にも取り組みました。自殺で亡くなった500人とそのご遺族500人のあわせて1,000人を対象とした大規模な聴き取り調査でした。このうち自殺で亡くなった305人までの調査が終わった2008年7月、それまでの結果を「自殺実態白書2008」として公表しました。自殺で亡くなった人は平均4つの要因を抱え込み、「もう生きられない」「死ぬしかない」といった状況に追い込まれた末に亡くなっていることが明らかとなりました。この調査の結果は、政府や自治体などの自殺対策における極めて重要なエビデンスとなっています。

「うつ病 家庭不和 負債 職場の人間関係 死へ追い込む連鎖要員 平均4項目が複合 民間チーム、初の『自殺実態白書』」(2008年7月5日、熊本日日新聞)や、「自殺の背景に4要因 うつ、家庭不和など連鎖 民間が初白書」(2008年7月6日、山陽新聞)の記事では、ライフリンクの調査で浮かび上がった自殺に至る経路のイラスト図が掲載されました。

2008年7月5日、熊本日日新聞


2008年7月6日、山陽新聞


「平均4つの要因が『連鎖』 配置転換→過労→家庭不和→うつ病」(2008年7月4日、朝日新聞)、「うつ病・家庭不和・負債… 自殺4要因が連鎖」(2008年7月5日、日経新聞)の記事など、メディアは「4要因の連鎖」に注目して報道しました。

「自殺実態白書」は、自殺に至る経路とは別に、自殺の多かった警察署管内のランキングを示しました。「自殺に地域性あり 高リスク地 白書に 富士吉田署管内が最多 千代田区は40代男性被雇用者」(2008年7月4日、毎日新聞)の記事では、警察署ランキングの表が掲載され、ライフリンクの清水康之代表のコメント「市町村関係者から、自殺の実態が分からないから具体的な対策ができないという声がある。白書を自殺対策に生かしてほしい」が紹介されました。「自殺の実態 遺族に聞き取り 要因、地域特性を分析」(2008年7月21日、福祉新聞)の記事では、清水康之代表のコメント「自殺前に精神科に相談した人は少なくない。精神科医はうつ病のプロだが、複合要因に対処するには、弁護士や行政など外部機関との連携強化が必要」が紹介されました。

2008年7月4日、毎日新聞(東京本社版)


2008年7月4日、毎日新聞(大阪本社版)

自殺実態白書の取り組みは、ライフリンク・ヒストリーでも紹介しています。


「自殺実態白書2008」の内容を伝える新聞各紙

写真は、東京・上野の国立西洋美術館で開催の「ピカソとその時代」展から

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