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きょう心にしみた言葉・2022年11月14日

いま、落ち込みや疲れ、不安や緊張を感じて、萎縮したり凝り固まったりしているは、もちろん自分です。一方で、そんな自分を思いやりながら、深呼吸や軽い体操などでときほぐそうとしているのも、やはり自分です。
そんなふうに、「もう一人の冷静な自分」がいると感じられると、それだけで、またちょっと新しい気持ちを持てるようになります。

「こころのエクササイズ」(大野裕・著、講談社、2008年)

慶応義塾大学保健管理センター教授などを務め、皇后雅子さまの主治医として知られる大野裕さんの著書から引用しました。大野さんはこの本の中で次のようにも語っています。「私たちは誰でも、いくつもの自分を持っています。たとえばいまちょっと弱気になっているのも自分ですし、それでも努めて冷静に対策を考えようとしているのも自分です。そうしたそれぞれの自分を大切にしながら、一歩身を引くような気持ちで外を見たり、そのときどきに適切なケアをしたりできるようになると、より自分らしく生きられるようになってきます」。小説家の平野啓一郎さんは、「分人主義」という考え方を紹介しています(『私とは何か 「個人」から「分人」へ』講談社現代新書)。「分人」は「個人」に代わる新しい概念で、対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格のことだと指摘しています。大野さんの言葉とも通じるものがあるようです。「そうしたそれぞれの自分を大切に」。大切にしましょう。

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