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【現場の先生方へ】「”責任”としての『ライフジャケット』」のこと。

少しずつ広がってきている水辺の「ライフジャケット」。今日は、学校や園などの教育現場で子どもたちの指導に関わっておられる現場の先生方に、管理職の皆さんに知っておいてほしいことについてお知らせします。

もしかしたら、今はそんな機会がなくても、いつの日か子どもたちを水辺に連れていくことがあった時に「知っているかどうか?」が問われる内容です。教育に関わるみなさんには、ご一読いただきたいと思っています。ぜひシェアしていただけるとうれしいです。

①人間の身体はどれくらい浮くのか?

実は、人間の身体が浮くのは「2%」と言われています。つまり、限りなく水面近くまで浮いて、身体は水の中にあります。個人差があるので、子どもたちの中には浮かずに水中に漂うような子もいます。

実はこの「2%」というのも、しっかりと息を吸った状態でのことです。つまり、肺に空気が溜まり、身体の中に浮き輪を入れている状態です。息をしっかり吸えていると浮くのですが、息を吐き切ってしまうとほとんどの人が沈みます。次の動画を見ていただければ、そのことがよく分かると思います。

子どもたちを水辺に遊びに連れて行った時も、このことを念頭に入れておいていただきたいと思います。子どもたちは、一瞬で沈んでしまったり、息ができずにパニックになったりして溺れてしまうことがあるのです。

②「ライフジャケット」の効果

では、「ライフジャケット」を着けていたらどうなるの?ってことですが、模型を使った実験器具「ウキウキくん1号」を見ていただけるとよく分かります。

頭の部分の重さは、体重の10分の1と言われているので、必要な浮力はだいたい体重の10分の1が目安になります。

ライフジャケット」があれば、水の中でも頭を水面より上に保持することができ、呼吸を確保することができます。なので、流れに流されたり、水深が深いところに入っても、浮いているので安心です。

先ほども紹介しましたが、「ライフジャケット」を着けていなければ、子どもたちの身体は浮きにくいし、場合によっては一瞬で沈んでしまうことがありますが、「ライフジャケット」を着けていれば、安全性が飛躍的に向上します。

③引率する場合の”責任”は?

ここからが、今日の本題。引率することがあった時の”責任”についての話です。

2012年7月20日に愛媛県西条市の加茂川で起こった1つの事故があります。幼稚園のお泊まり保育中に川遊びをしていた当時5歳だった吉川慎之介くんが増水した川に流されて亡くなってしまう…という悲しい事故が起こってしまいました。この時、子どもたちは「ライフジャケット」を着用していませんでした。

2018年12月20日 読売新聞

この事故の裁判が2018年に終わり、民事裁判、刑事裁判ともに「ライフジャケットを着用させる義務があった」ということが認定されています。つまり、学校や園、子ども会などで、水辺に子どもたちを連れていく時には「ライフジャケット」を準備する”責任”があることがはっきりしたのです。

つまり、もしも学校や園で子どもを水辺に連れていく行事がある時、子ども会で水辺に連れていく行事がある時、「ライフジャケット」を準備しておいて、着用させないと責任を問われることになります。「知らなかった…」ってことがなくなるように、ぜひ学校や園の現場の先生方、そして行政のみなさんに伝えていただきたいのです。

③どうやって”準備する”のか

「ライフジャケット」を着けさせることで、安全性が飛躍的に向上するってこともハッキリしているし、準備して着用させる義務があることもハッキリしています。ただ、ちょっとここで問題となることがあります。それは、「人数分の『ライフジャケット』をどうやって準備するのか?」ということです。

例えば、1クラスなら30人。つまり、30着の「ライフジャケット」が必要になります。お住まいの地域では、「ライフジャケット」を準備しないといけない時、どうされるでしょうか?おそらく…ですが、まだまだ多くの地域で、まとまった数の「ライフジャケット」を準備することは難しいこと…ではないでしょうか?

着けさせたいけれど、その「ライフジャケット」がない…。準備したいけれど、その「ライフジャケット」がない…。実は、これが現状です。このことを知っておいてほしいのです。

誰だって子どもたちの命を守りたくない大人はいないと思います。「ライフジャケット」が大切だということが分かれば、誰だって準備したいし、きちんと着けさせたいはず…。でも、今の日本の現状では、”もの”がありません。準備をすることができない地域がほとんどなのです。

⑤子どもたちを守る「ライフジャケット」の充実を!

教育の現場に関わる先生方や関係者の1人として「子どもたちの命を守る」ということに異論を唱える人は誰1人いないでしょう。子どもの命を守りたいくない大人はいません。だけど、一度事故が起こってしまうと最も大切な子どもの命を亡くしてしまう…という取り返しのつかないことが起こってしまいます。そして同時に、保護者、周りの子どもたち、地域の方々、学校の先生方、関係する方々、行政の方々…数えきれないたくさんの人が傷ついてしまいます。

つまり、「ライフジャケット」を準備することは、子どもたちの命を守ることと同時に、たくさんの人を守ることでもあります。最初にもお伝えしましたが、人間の身体が浮きにくい…という特性があることから、水辺の安全についての”知識”や見守る時の”意識”だけでは、子どもたちを守ることができないのです。過去に起こった事故の裁判の判例からも、すでに”責任”として「ライフジャケット」という”もの”の準備が必須になっているのです。

このことについて積極的に取り組んでいるのが、うどんで有名な香川県です。香川県では、県の保健体育課さんが、学校や園を対象に「ライフジャケットレンタルステーション」を開設してくださっています。希望する学校や園、子ども会などの団体を対象に、100着の「ライフジャケット」を無料でレンタルしてくださっているのです。

こんな風に、自治体がいつでも使えるように「ライフジャケット」を準備してくださることは、水辺での活動での子どもたちの安全性は飛躍的に高め、間違いなく大切な子どもたちの命を守ることにつながります。そして、それは同時に、「ライフジャケット」を準備しなくてはならない”責任”のある現場の先生方を守る…ということにもつながります。

「子どもたちにライジャケを!」では、全国の自治体に「ライフジャケットレンタルステーション」を設置してもらえるように願って動き始めています。もしも、お住まいの地域で「何か動きを作りたい!」って方がおられたら、とことん協力しますので連絡してください。大切な子どもたちの命を守るために、一緒にがんばりましょう!


この記事のこと、ぜひお住まいの地域の学校や園、行政の方にもこの記事をシェアしていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。


思いはただ1つ…子どもたちの命を守ること。

「子どもたちにライジャケを!」
http://lifejacket-santa.com/


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