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"Study from Life"。ライフから、リアルから学ぼう。 | 未完成に生きたいぼくは芸大に通うことにした。 | ある芸大生の雑記録 | 210906 | #4

今年4月に新設された京都芸術大学芸術教養学科イラストレーションコースに入学してから5ヶ月。仕事を続けながらオンラインで学んでいます。8月から記録に残すことを始め、今日はその4回目です。さっそく紹介していきましょう!

■芸大生ライフ

「イラストレーション演習III-1 | ビジュアルストーリーテリング」の受講をはじめました。講師は栗田唯先生。回数は6回。時間はおよそ7時間。ストーリーについて学んでいたこともあり、7〜9月の時間割に加えていたひとつです。概要はこちら。

視覚のみでストーリーを伝える手法を習得する科目です。その画面の中でキャラクターが何をし、何を考え感じているのかを描き切るためのテクニックを学び、実践していただきます。課題では自身で選択したテーマのもとでストーリーを考え、それを視覚化するストーリーボードを制作していただきます。

「セリフは出してないのにしゃべってるんですよ。ビジュアルだけで伝えられるんですよ。それがビジュアルストーリーテリングなんですよ。楽しいんですよ。」と軽快にしゃべる栗田先生。

「"Study from Life"。ライフから、リアルから学ぼう。"生"から感じられるものを信じよう。」「エンターテイメントはルールとクリエイティブの"間"にあるんだ。"間"を楽しもう。」と他の分野でも役立つヒントを惜しみなくもらいました。今週も受講をつづけます。

(ここからは余談。来年以降の学生のために改善してほしいのは、動画1本の時間を統一すること、速度を選べるようにすることの2つです。優先順位は時間>速度で、科目ごと、授業ごとにばらばらなので、学びのリズムをつくりづらいのです。60分の1種類でも、15分と30分と60分の3種類でも、それはどちらでもいいので、改善してもらえたら喜びます。)

■9月の特集「柳宗悦」

月が変わり、特集が変わります。今月の特集は「柳宗悦」。ひとまず『柳宗悦コレクション』(全3巻)を手元に準備しました。

■Art in Focus !

雑貨を集めるように、その週に心がぴくりと動いたものをコレクションしています。今回はこちら。

0901 | アネモメトリから「“ぶれ”の美学を料理に活かす、美大出身の若き料理長」を読み、次のくだりにアンダーラインを引いた。

同じ料理でも、毎回完全に同じ味というのも、すごく不自然なことだと思っています。今日食べたものと同じものを、1ヵ月後に食べたいという気持ちもわかります。でもそうした均一なものを求めすぎると、添加物を使ったり手を加えすぎたりして、自然なものから遠ざかっていく気がします。

0905 | 「いろ」「は」「に」「ほへ」「と」で章立てされた『夢もまた青し』を前から後、後から前へぱらぱらぱらとめくり、やがてその手を止める。今日惹かれたのはこの一言。

植物染料には、生命の神秘を思わせるような発見があります。たとえば、基本的に花びらからは、その花の色には染まらないという法則があります。目の覚めるような赤や紫、黄色の色で染めてみても、花そのものの色は出ず、たいていはベージュやグレーになります。あざやかな色を染めるには、花ではなく、葉や幹、枝、実や根を使うのです。例えば桜でもって、淡く可憐な桜色を染めようとしたら、使うのは樹皮です。それも蕾のついた、花開く直前のもの。染め出した瞬間は、いままさに花になろうとしている桜の木の生命が、色となって目の前に現れるかのようです。
志村ふくみ・志村洋子・志村昌司『夢もまた青し』、河出書房新社、2019年、26-27頁。

0905   『誕生が誕生するまで』を読み直し、「むしろ限りなく自由を感じる」というこのくだりに「そうそう。この感じ。この感じだよ。」と伴走してもらっていたことに気づく。

不思議な事にその広大さに安心する自分がいる事に気付く。まるで広いグラウンドに細い棒切れ一本で何かを描くように、何をどう描いてもこの広大なフィールドが包んでくれるような気がするのだ。多少間違えようが方向性が変わろうが全体には何に影響も及ぼさない。自分が思ったこと、感じたこと、閃いたことなどをこれから好きなように書き連ねていける、巨大なスケッチブックのようでむしろ限りなく自由を感じるのだ。
池田学『《誕生》が誕生するまで』、青幻舎、2017年、11頁。

ここまで読んでもらいありがとうございました!今週のエンディング曲はこちら。新しいのに懐かしい。そんな曲です。ひと耳惚れしました。よかったらどうぞ!


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