Appleが自社製チップに切り替える本当の理由
この記事は、メルマガ「週刊 Life is beautiful」6月30日号に掲載された記事を抜粋したものです。このメルマガは、米国に暮らす技術者・起業家の目線で技術・起業・キャリアについて語るメルマガで、毎週火曜日朝に発信しています。
先週、Apple が WWDC(World Wide Developer Conference)を開催し、基調講演にて数多くの発表をしました。これに関しては記事も多く書かれているので、あえて列挙はしませんが、強く印象として残ったものについてコメントしてみます。
何よりも大きなニュースは、Macのチップをインテル製のものから、自社製のチップへのシフトです。
このシフトに関しては、随分と前から予想もされていたし、iOS/iPad 向けのチップへの力の入れようを見れば、当然と言えば当然です。
最新のiPad Pro ($799~)に搭載された A12Z Bionic は、2.49GHz で動作する8個 64-bit ARM コアと、同じく8個のGPUを持つチップです。これは、すでに、MacBook Pro ($1299~)などに採用されている Intel Core i5 とほぼ同様の性能を持ち、消費電力あたりの性能を考えれば、圧倒的に優秀です。
Apple は、これまで iPhone/iPad 向けのチップの開発に莫大な投資をして来ましたが、「いつかは Mac のチップも置き換える」ことは常に視野に置いていたのだろうと思います。毎年数千万台ものiPhoneを作っている Apple だからこそ出来る、芸当です。
Apple 内部の情報に詳しい私の知り合いによると、Apple 内部では Xcode (開発ツール)を iPad 上で動かす実験はかなり前からしていたようで、「iPad で MacBook を置き換える」戦略と、「MacBook を(チップを置き換えることにより)iPad に近づける」戦略の両方が平行して行われていたと私は解釈しています。
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