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河原の道を自転車で

「新しい季節は、なぜか切ない日々で、河原の道を自転車で」と懐かしい歌詞が自然と浮かんできた。「なんだったけ?…あぁ、スピッツ、ロビンソンか…懐かしいな。」ただ歌詞の中、きっとそこに描かれるのは高校生か何かであり、(たぶん)その自転車はママチャリであり、きっと舗装路であり、かなり淡い景色だ。けしておじさんが一人でMTBに跨り、バイザー付きのヘルメットにサングラスで鼻歌交じりにダブルトラックを行く、というものでないことだけは間違いない。

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が、まぁ、現に新城市で今日の午後見られた風景はそんな景色であり、止まって「美しいな…」と少し強い午後の風に散る桜を眺めながら、散歩に熱心な地域のお母さん達に向かってにこやかに「こんにちは~」とか言っているのだ。これが新城らしいかどうかはわからないが、新城の、この環境が可能にしている風景であることは間違いない。

午前中からデスクワークをして一区切りついたのが15時少し前。いつもなら着替えてさっとロードワークに出る、という感じなのだろうけど、少し疲れいたし、そういう時はMTBに限りると決めて一時帰宅、ささっと着替えてMTBで出発。もちろん漕ぎ出すペダルはフラットペダルに5.10のスニーカー。ぴったっとしていないウェアーのチョイスは間違えない。

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昨日に引き続きゆったりと山の中へ。けして緩やかという坂ではないけれど、のんびり登ってのんびりシングルを下る。サイクルコンピュータもつけないから詳細な時間はわからないけど、約1時間。少し傾き始めた日差しの中、夕方の海に入るサーフィンのように(やったことないんだけれど)ひとり自分を山に(言い換えれば「自然と」)接続する。同じ時間でいつものようにシュッとしたウェアーに身を包みロードワークを選ぶこともできるし、デイリーで少し特別感のあるレジャーのようなトレイルライドを選ぶこともできる。どちらも自分にとって大切な時間、そしてそれぞれの趣があり、どちらも同じように楽しい。ただ毎日の暮らしの中に、1時間でいいから自然とそうい時間が存在して、自転車とかランニングとかサーフィンとか、ビールとか焚火するとか、本を読むとか、勉強するとか、何かの術を経由して自分にとって自分が少し好きになったり、何気ない美しさに感動したり、そんな時間があることが大切なような気がしている。

そこから現在、その遊んだMTBでデスクに戻り、ここから2~3時間でもうひとつふたつデスクワークをこなす。そして帰ったら洗濯をしながらビールを飲んで、録画してある朝ドラを見る。家族が帰宅する。

なんだ、最高じゃないか、新城、奥三河。世の中は暗い話題ばかりだけれど、それでも毎日生きていかなければならないから、少しでもそこにある美しさや大切なものを集めて生きていきたい。

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