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変わらないもの、変わりゆくもの

僕は愛知県の北東部に位置する奥三河というエリア、自身も暮らす新城市で年に二回トレイルランニングのローカル大会を主催している。規模としては各大会毎に参加者関係者で1000名ほどの規模のものだ。

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■DA MONDE TRAIL webサイト

都市部のイベンターが地方を間借りして大会を運営するのではなく、地域発、地域密着型の活動として活動し、行政連携、地域連携、新たな地域ネットワークや活力を生み出しながら6年が経った。

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しかしこの春からの世界を覆う緊張と非常事態の中、春の大会を中止とした。そして秋も「やれない、やらない方がいい」と一番短絡的な答えに傾き、何度もたどり着きそうになりながらも、「変化させながら新しい形を模索する」という方向に舵をきった。

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そして今日10月25日行う大会のエントリーがこれを書いているまさに20時より開始となった。「楽しむ」ということを大切なキーワードにして多くの人たちによって育まれた小さな大会ではあるが、従来の方法ではやはりあくまでレース、競技性があることを主体としている。今回のイベントはその競技性に焦点を当てず「人と人が再びスポーツで集えることの喜び」をテーマとしたものになっている。そうしたことがどれだけの人に受け入れられるのかは正直わからないし、自分たちが活動の中で大切にしてきたものがどれだけ伝わっていたのかを測るある種の試金石でもあるように思う。

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そんな秋のイベントが動き出すスタートにさいし、大会のwebページを通じ大会事務局としてメッセージを発信してみたので、こちらもそれを転載する。

■以下DA MONDE TRAIL webサイトより

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DA MONDE が年二回の大会として愛知県民の森を舞台に皆様に親しまれてもう6年になります。参加者200名程度の小さなローカル大会も、気づけば皆様の力により本当に賑やかな集いへと成長させてもらうことができました。その集いをきっかけに真剣にトレイルランニングに挑戦し100kmを越えるような大会に挑戦する人や「ランニングが趣味になりました」という人、そして支える地域のネットワーク内にも「地域のお祭り」のように受け入れられ、様々なつながりと化学反応が生まれ、その人の輪がこれまでこの地域になかったヒト、コト、モノを結び続けています。

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しかし、青天の霹靂(へきれき)のような世の中の急激な変化に伴い、多くのつながる場が失われ、価値観も大きく変化せざるを得なくなりました。これまでであれば「集うこと」は当たりまのこと、その先の、例えば「結果」、例えば「内容」、例えば「楽しさ」、そうした事ががどうあるのかが何より重要だと、いつの間にか考えられるようになっていた気がします。しかし、本来、人と人が出会ったり、人と人が楽しく集えることは本当に貴重であり、とても尊く、そしてそれは私たちの暮らしになくてはならない必要なことであると、この誰もがまだ解決策を知らない、こうした世の中の状況が教えてくれたように思います。そして、そのつながりの場がリアルなものであることの重要性、時間や空間をしっかりと身体で共有することがいかに大切であるかも同時に示してくれたような気がしてなりません。その現実の世界にこそ、やはりスポーツを楽しみながら「する」、「みる」、「支える」という魅力や世の中を明るく照らすような力があるように思えてなりません。そしてそにこそ人と人との繋がりを確認しながら育んでいく生身のソーシャルネットワークが存在しているようにも思えます。そしてそれも私たちの暮らしにとってとても大切でなくてはならないもだと感じています。

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だからこそDA MONDEはもう一度、一番シンプルな「集う喜び」という原点をから再スタートしたいと思います。競技性もない、ただ各々集い走るという場づくりにどれだけの方が共有していただけるか正直わかりません。これまでのような十分サービスやなおもてなしもできないかもしれません。でも「なんか楽しいね」「こんなふうにして走るもの悪くないね」そんな言葉をご家族や、大切な友人と交わしながら、少し遠出したピクニックのような気分であの森を訪れ、それぞれにとって自由に少し特別な一日を体感し、見つけてもらえたら、そのきっかけの場を作ることを続けてきたDA MONDEにとってこんなに嬉しいことはありません。

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共感してもらえる人は多くなくても、集い繋がることは当たり前の時代から、集えること、繋がることが喜びとなる時代の変化に向けてDA MONDEは新しい変化に挑戦してみたいと思います。

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「まずは挑戦!楽しむところから!」そんな原点からもう一度、これからのDA MONDEの在り様を、それがどの立場からDA MONDEに関わってくれるとしても、「それが大事だ、なによりそれでも十分楽しいぞ!」と、そうした価値を共有してくださる皆様と一緒に考えていきたいと思います。

以上原文のまま

さて、こんな時代にあって、参加する側、支える側、応援する側に、こうした新しい提案はどのように届くのだろうか。

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