「無になろう」って思っちゃってる時点で自我が「有」になってまっせ

『繊細ながんばり屋さんが生きづらさを手放すための55の禅語集』出版への道　〜其の三十六〜

「もう考えたって仕方がない」とわかっていても、どうにもこうにもグルグル思考が止まらないことはありませんか？

『非思量』
頭のなかを空っぽにして
こころを分別から解き放たれた無の状態に保ちなさい

テレビを見ていても、スマホをいじっていても、お風呂に入っていても、人と話をしていても、布団に入ってからも・・・

どうにもこうにも気になることが頭から離れず、不安や妄想が堂々めぐりを繰り返す。

そのような時、あなたはどうやってその「執着」を手放しますか？

20代の頃、職業柄毎日のように人前で話をする立場にあったぼくは、もう毎晩このグルグル思考に襲われて、大げさではなく3年近くは「安眠」できた夜がありませんでした。

決して話すのが苦手な訳ではありません、明らかな失敗をしたこともほとんどありません。

しかし毎日が、「完璧ではなかった」のです。

「あの言葉はこういう言い回しのほうがよかったなぁ〜」

　「なんであそこでこの例え話がでてこなかったんだ！」

　「あの人、すんごいつまんなそうな顔してたわぁ・・・」

そんなぼくをこころの囚われから解放してくれたのが『非思量』という禅語です。

思量はひとつの物事にこころをとらわれ、縛られてしまうこと。

非思量は反対に流されるがままに、こころを一所にとどめおかないこと。

「無になろう・ならなきゃ」と力むのではなく、自然と思い浮かんでくる思考や感情に身をゆだね、右から左へとしなやかに受け流していきましょう。

今まで執着でガチガチに凝り固まってたアタマとこころが、少しずつ少しずつほぐれていきますから。

かくいうぼくも「だいぶできるようになってきた」と思いつつも、今でも日によってはズブズブの泥沼にはまってひとりで布団のなかでイライラしたりしています。

それでも、そのように囚われている自分も含めてジブンであることをしなやかに受け入れられるようになると、とてもこころが軽くなります。

瞑想とかマインドフルネスとかあまり気張って考えすぎずに、お散歩中でも入浴中でも布団の中でも、ぜひ一度ゆるりとやってみてくださいね。

合掌

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