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My life story02[コーチング編]

「自然とともに生きる美しさを、世界に。」をミッションに生きる私のライフストーリー。ここでは、普段語りつくせない私の旅路をプロローグ編、パーマカルチャー編、コーチング編の3章に分けてお届けします。コーチング編では
・私がなぜ、コーチを一生の職業として選んだのか
・無意識にコミュニケーションの大事さを感じ取った痛みの原体験
をお伝えしています。


「コミュニケーションが変われば、現実はもっと楽しめる!」

 パーマカルチャー編でお伝えしましたが、私が初めてコーチングに出会ったのは、二十歳のときに訪れたスコットランドのフィンドホーン・エコビレッジでのことでした。日本から10人ほどのメンバーと行く2週間のツアーに参加しました。
※フィンドホーンでの体験から始まるパーマカルチャー編はこちらから。

 そのときのツアーコーディネーターが、アメリカから日本にコアクティブ・コーチングを持ち込んだ榎本英剛さんという著名なコーチだったのです。当時の私は失礼ながらまったく存じ上げないまま参加したのですが、ツアー参加者のほとんどはなんらかのコーチ資格を持っている、という異色のツアーグループでした。

 ツアー中、何度かコーチングについても尋ねましたが、いまいち理解はできませんでした。理解はできませんでしたが、ひとつ気づいたことがありました。このコーチ集団で回るツアーが異様に心地よく、楽しかったのです。

 一番印象的だったシーンは、ガイドさんが喋りすぎてみんながついていけなくなってしまったときのことです。それまでの私の世界は話を聞き流したり、ちょっと疲れた空気を出してみたり、「早く終わって」というエネルギーが下がるような対応をするのが当たり前でした。

 ところが、このときのメンバーは「内容はまだ理解しきれていないけど、そのパッションから受け取るものがあったよ」といった調子で、熱く語る彼のパッションをちゃんと受け取り、学びを得ていました。また、質問や相槌でコミュニケーションをとりながら、「待って待って、また熱くなってしゃべりすぎているよ!」と、ときにはユーモアをもってフィードバックをしたりと、ガイドの方も含めてみんなのエネルギーが上がる場を創り出していました

 いま思うとあの場は、ひとりひとりが尊重される安心安全の場が作られていたのだと思います。そのグループにいた2週間で、私は自分がとても自由になった気がしました。その場には、暖かさと包容力があり、ひとりひとりがありのままでいて大丈夫、という安心感が広がっていました。その心地よさは、私がいままで体験したことのないものでした。

 みなさんもどこかで体験したことがあるのではないでしょうか。気の置けない仲間たちといるときに、自由で満たされた気持ちになり、自分の個性を十分に発揮できたり、クリエイティビティやユーモアが力を持つ感覚です。コミュニケーションを変えることで、私たちはその感覚を共有できる、という事実が私の中での大発見でした。

 エコビレッジでの滞在で、コミュニティにとってのコミュニケーションの重要性を学んだばかりの私にとって、コーチたちが自然にやってのけたその現実をもっと楽しく、充実したものにするコミュニケーションは新しく、不思議で魅力的な魔法のように感じました。


「コーチングは愛を与える仕事」

 「私もコミュニケーションの魔法を使いたい!」と思った私はまず、ツアーで一緒だったメンバーのおひとりにコーチをお願いしました。

 いま思えば、コーチングを受ける、という目的だけのクライアントというのもなかなかやりにくかったのではないかと思うのですが、私はこのコーチングで自分をいろんな角度から見てみる面白さを学びました。当時、理想の自分を描くワークで見つけた、「ナウシカ」と名付けた強く美しい女性像は私の価値観の軸として存在し続けています。

 もうひとつ、コーチングで得た大事なことは、自分に絶対の味方がいるという安心感です。何の根拠がなくとも自分を信じてくれている人がいるという事実は人を強くするものだという体感がありました。その方にコーチングをしていただいたのは数年以上前のことですが、いまでもお互いの近況報告をしあう関係で、心のコーチとして在り続けてくれています。

 そして何より、コーチが言ってくれた「コーチは愛を与える仕事なんだよ」という言葉に衝撃を受けました。幼稚園の頃に動物園の飼育員になりたい、と言っていた以来、なりたい職業がなかった私でしたが、この言葉を聞いたときに、「あ、私はコーチを生業に生きていこう」と直観で思いました。


内面に働きかけることを学ぶジャーニー

主宰したワークショップの一コマ。内側と外側のRe-wildingをガイドするゲストスピーカーをフィンドホーンから逗子にお招きしました。

 私にとってコーチングは、人との愛と尊重を持った関わりによって、その人の豊かな人生の選択をサポートすることです。それを仕事にできるなんて、最高の職業だと思いました。その道を歩んでいくことで、自分がこれまでの旅の中でずっと求めてきた答えに辿り着けるような気がしていました。

 そこからは、コーチングの講座に参加したり、大学の授業でコミュニケーションや認知に関する授業をとりながら学びを深めました。また、コーチングだけでなく、非暴力的コミュニケーション(以下、NVC)を勉強するためにセルフファンディングをしてみたり…あの手この手で、さまざまな学びの場に参加しました。

 コミュニケーションを通じてひとりひとりが自分で豊かになるための選択をできるようになること。お互いに愛と尊重をもって関わりあうこと。まずは自分自身がそうなれるよう、私は内省的な探求を続けていました。

 その後、大学の授業で知ったビジネス・コーチングの会社に拾っていただき、数年間コーチとして働きました。世界を見据えたビジョンを持つ会社で、エグゼクティブ・コーチの秘書としてプロとしてのコーチの在り方をたくさん学ばせていただきました。

 ただ、少しずつ自然とのつながりが少なくなっていくサラリーマン生活に心の違和感を隠せなくなっていきました。私のコーチとしての原点に戻ったとき、その違和感に目を背けることはできず、コーチングとパーマカルチャーを軸にした生き方に挑戦しようと独立を決意しました。


原体験から学んだコミュニケーションの大切さ

 コミュニケーションについて語るとき、人は誰しもその人が経験から得た信念、価値観、捉え方に気づきます。私が、コミュニケーションの大切さについて語るとき、切っても切り離せないのが両親の離婚という経験です。

 私の両親は、当時私が思春期真っ盛りの中学時代に離婚しました。私の人生にとって一番辛い出来事でした。当時の私にとって、家族という存在は疑う余地すらなく絶対的に壊れないものという神話が確立していたので、離婚の2文字が意味することが全く受け入れられませんでした。足元にあった地面が突然崩れ去るような、それなのに何が起きたのかが把握できないという、カオスに陥りました。

 強すぎる感情を表現する術を持っていなかった私は、学校では気丈にふるまい、家では両親との会話を拒絶し、感情を押し殺していました。そして、「話を聞いて」と話しかけてくる両親を部屋から追い出しては、布団にくるまって気づかれないよう、声を出さずに泣いていました。

 そのときの私には、暴力的な言葉しか返す言葉が見当たりませんでした。でも、両親を深く傷つけるであろうその言葉をそのまま彼らにぶつけてしまえば後悔する、ともわかっていました。なるべくコミュニケーションをとらない。それが人を傷つけずにすむ方法だと思っていましたが、あとから振り返ると繋がりを一切絶つようなその関わりが最も、彼らを傷つけてしまっていたのではないか、といまは感じます。


痛みはギフト

 それから、コミュニケーションを勉強し、自分の内面と向き合うなかで、何度もこの体験と向き合いました。ときには人に背中を支えてもらいながらそのときの感情を味わい、ときには家族に手紙を書きました。

 そうしてさまざまなサポートを得ながら、自分の内面や感情について学んだ私は、この体験が、あのときの痛みが、いまの私をつくってくれていると、心から思えるようになりました。あの痛みがあったからこそ、コミュニケーションの大事さを無意識に感じ取り、痛みをもう一度、扱ってあげる機会を求めたのだと思います。

 コーチングやコミュニケーションについて学ぶ、ということがなければ一生こんな風に穏やかに当時の経験を見つめることはできませんでした。「痛かったけど、よく頑張ったよ。だからここまで来たんだね」と自分に言ってあげられることが、人生にとってどれほどポジティブな影響を持っているかは、計り知れません。

 あのときに何も後悔はありませんが、もし私に信頼して話せる対話のパートナーがいたら、私や両親が感情から目をそらさずにきちんと扱ってあげることができたなら、と考えることはあります。だからこそ、私がこの世界にコーチとして在り続けることが重要なのだと思っています。

 とても痛い体験でしたが、いまでは両親があのときできた最善の選択をしたこと、その体験が自分をつくってくれていることへ、心から感謝しています。

 私のライフストーリーはここまでです。これだけ書いても語りつくせない物語はいつか、どこかでまた、ぜひ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



コーチング・セッションについて

 はさみのコーチングにご興味のある方は、まずは無料セッションにお申し込みください。45分間の無料セッション(Zoom)で、コーチングについてのご説明やコーチングで扱いたいテーマのヒアリングを実施しています。疑問やコーチとの相性など、不安な点を解消していただけます。

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導入セッション:6回(1回60分×2週間ごと)1,9800円(税込)
本セッション:1回(60分)7,700円(税込)
※頻度は2週間に1度を基本としていますが、クライアントの必要に応じて調整いたします。

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