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【高齢期リハビリ】慢性痛のセルフコントロール

【困った慢性痛】

高齢になっての悩みの種の一つは「慢性痛」でしょう。腰、膝、くび、背中、色んなとこが、何か重いような凝ったような感覚が続き…そして痛みにより何より動く気力がなくなってしまいます。

そのような方は病院にいってお薬をもらったり、湿布をはったりとされて痛みをコントロールされてるかと思いますが、

実は考え方や心理状態でも痛みの感じ方が変わることが最近、注目されてます。

わたしもリハビリを行う際に認知行動療法という心理療法をよく使うのですが慢性痛に対して非常に効果をあげております。

今回は痛みについて説明いたします。

【痛みとはなんぞ?】

痛みは大きくは2種類あります。


1.脳の感覚野という部位で認識する痛みという感覚

2.脳の扁桃体という部位で「不安」「恐怖」などの「マイナスの感情・情動」が引き起こす痛み

【慢性痛の副作用】


慢性痛により扁桃体が活性しやすい状態になることが多く不安や恐怖から「活動量」が低下しがちになります。

そして

いざ行動を起こす際には不安で身を固くしたり、あるいは不活動により筋肉や関節がかたくなり、さらなる痛みが出現する可能性も出てきます。

そして、さらに行動を起こさなくなる。悪循環に陥りやすくなります。

【慢性痛をコントロールするポイント】



痛みをコントロールするポイントは、痛みのない範囲で「楽しいことをすること」「からだを動かすこと(無理のない範囲で)」です。

加えて活動し終わったあとに『痛みがなかった・少なかった』と振り返ることです。日記も非常に効果的です。

ケアにあたる方はぜひ「○○してるときは痛いと感じてなさそうでしたね」と声掛けしてあげてみてください。

慢性痛のある方が「痛くない時間を過ごせた!」と気づくことで「いつも痛いわけではない」と感じ、不安が軽減し痛みも軽減する可能性は十分あります。

【参考文献】

2011 ジョンDオーティス「慢性疼痛の治療:治療者向けガイド」星和書店

2006 下地恒毅「痛みをやわらげる科学」サイエンス・アイ新書

2016 松平浩・笠原諭「腰痛は脳で治す!」宝島社



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