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高齢期リハビリのココロエ33【老化とはどうにもならんこと】

 わたしは『再発がん』でして『がん』と『共生』しておまりす。寛解するのであれば、『がんに抗うで抗病』なんですが、現代医療の限界と自然の摂理により『抗病』ではないんですよね。いわば「もう、しゃあない!残り時間をできるだけ充実させよう!」という心持ちです。
 ここでですね、民間療法や壺や念珠を購入したり、エビデンスが乏しい最先端医療?には手を伸ばしたりしません。不思議なチカラや最先端医療?へ高額なお金を払うのもひとつの手段ですが、それで治るならそれが『がん治療』のスタンダードになっているはずですから。ただ、それらは肯定も否定しませんし、とことん『抗病』もありかと思います。
 さて、高齢期リハビリのお話です。前述に『共病』『抗病』と述べましたが、高齢期リハビリにおいては『共老』『抗老』という言葉を使おうと思います。『共老』は文字通り、老化を共にする、つまり『老化と仲間になる』ということですね。老化を自然の摂理ととらえ衰えていく身体に合わせてできるだけ手足頭を動かして生活していくわけです。
 これってなかなか難しいんですよ。生活が自立しているうちは体調や状態に合わせてひとりで生活の方法を考えて切り抜けていくわけですが、ひと度『要介護』になると、『衰えていく身体に合わせてできるだけ手足頭を動かして生活をする』ことは困難になるんです。なぜかといいますと周囲もどうフォローしてよいかわからなくなりますし、要介護高齢者をみると親切心で手伝いたくなりますし、本人も自信がなくなりますし、で本人の動く機会はなくなり『共老』は難しくなるわけです。
 そしてどちらかというと要介護高齢者へは『抗老』が勧められます。特に『筋トレ』をはじめとした機能訓練を介護保険サービスで行うことが多いですね。これは効果が高い方とそうでもない方に分かれます。何故かといいますと、要介護高齢者は持病があるからなんですね。治りにくい、元に戻らない後遺症や病気もあるんです。そこに老化がベースにあるわけですね。そのため『抗老』にも限界が出てきます。『抗う』とは争う、抵抗するという意味です。老化と争っても勝てません。時々、『抗う』ことで元のような何でも出来た頃に戻れるのでは?と思われる方もおられますし、漠然と介護保険のリハビリサービスを受け続けて機能回復を期待している方もおられます。それが心の支えになっている方、それを楽しみにしている方もたくさんおられますので否定はしませんが、そればかりに気を取られて、充実できるはずの生活が二の次になったらもったいないじゃないですか。
 高齢者は残り時間が少ないんですから。老化と仲良くするほうが得策だと思いませんか?その老化したハンデのある身体で『頭手足を動かす生活をする』、できない部分は人の手を借りる、『共老』が大事ですよ。

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