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高齢期リハビリのココロエ37 高齢者の肥満対応

 介護保険サービスでリハビリを長年してきますとご家族の要望をよく聞きます。『歩けるようにしてほしい』『トイレに1人で行けるようにしてほしい』がその代表ですが、『痩せさせてほしい。そのために施設で運動や機能訓練をしてほしい、家での体操を教えてほしい』という要望も結構あります。
 ご要望もわかりますが『無理です(マンツーマンの機能訓練だけでは)』というのが回答になります。なぜかと言いますと、介護保険サービスの数十分の『機能訓練』と自宅での僅かな時間の『体操』では、摂取カロリーを上回らないことが多いからです。
 ではどうすれば痩せるか?簡単です。消費カロリーが摂取カロリーを上回ればいいのです。つまり食事量を抑えて動く量を増やせば良いわけです。これは万人共通ですね。
そもそも、高齢者は『基礎代謝(運動しなくても生きるために体が使うエネルギーのこと)』が低く、加えて要介護になると『活動量』が著しく下がっていますので消費カロリーはとても少ないわけです。痩せない方は【摂取カロリー】≫【消費カロリー】ということで、なかなか体重は減りません。そういったことから本気で要介護高齢者の体重を減らそうと思ったら『食事』をなんとかせねばいけません。
 具体的には『カロリー計算』と『糖分(炭水化物)抑制』を中心に行うと痩せます。ですので介護保険サービスで『痩せたい』という要望は栄養士さんに伝えるほうが良いかと思います。 
 ちなみに『基礎代謝』を含む消費カロリーはこんなサイトがあります。自身の消費カロリーを知ることが第一歩です。

次に摂取カロリーを知ります。これもアプリで計算できます。わたしはカロママを使ってました。
 某有名ジムの『ラ◯ザッ◯』も1日の摂取カロリーを計算されますよね。
 要介護高齢者の痩せる近道は食事の調整です。そして適度な活動が必要ですが、デイサービスなどもトータルすると活動になりますが週1〜2回では十分なカロリーは消費できません。運動に加えて、できる範囲で『家事』なんかをすることも必要です。ちなみに作業療法士ができることは『活動習慣のある生活をつくること』あとは『カロリー計算をご自身でできるよう教育する』など、結局はご本人やご家族次第になることが多いかと思います。

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